更新日: 2023.08.23 セカンドライフ

60代夫婦の2割は貯金ゼロ?「こんなはずじゃなかった…」今からできることとは?

60代夫婦の2割は貯金ゼロ?「こんなはずじゃなかった…」今からできることとは?
老後に年金を受給できるとしても、それだけで暮らしていけるとは限りません。実際は生活費が不足をする世帯が多く、その分、貯金でカバーすることも考えておく必要があります。
 
一方、老後を迎える60代夫婦でも、そのような備えができていないケースは少なくありません。
 
そこで本記事では、60代夫婦の貯金事情に着目し、後悔しないために若い頃から行える取り組みを紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

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貯金の平均値や貯金なしの割合

令和4年に、金融広報中央委員会は「家計の金融行動に関する世論調査」を実施しました。調査結果の各種分類別データによると、60代の2人以上世帯に限定した貯金の中央値は1270万円です。
 
一方、60代の2人以上世帯のうち、20.8%の世帯は「貯金がゼロ」と回答しています。なお、この貯金とは、将来に備えたものであり、日常的な引き落としや出し入れに使う金額は該当しません。よって、実際は口座に残高がある世帯も含まれていますが、いずれにせよ5世帯に1世帯ほどの割合で、老後資金として使える貯金がない状況になっています。
 
さらに、70代の2人以上世帯に関しては、貯金がゼロの世帯は18.7%であり、60代とほとんど変わりません。この事実から、老後の資金が充分でない世帯が多いことが分かります。
 

目標設定のために老後の不足分を確認

老後を迎えてからの貯金が困難なら、若い頃から始めなければなりません。
 
しかし、年齢によっては、先の話なので、いくら貯めれば良いのか、判断しづらい場合もあるでしょう。目標があいまいな状態だと、現状のニーズだけに注目してしまい、出費を多く重ねることになりやすいです。少なくとも、年金を受給する65歳から月々、どれくらい必要なのか、目安を把握しておく必要があります。
 
総務省の資料である令和3年の「家計調査年報」によると、65歳以上の夫婦だけの無職世帯は、消費支出の平均月額が28万60~69歳の世帯は28万8312円でした。
 
一方、日本年金機構から送られてくる「ねんきん定期便」には、納付の実績に応じた年金受給の見込み額が書かれています。月額に換算して夫婦の分を合算し、上記の支出との差を求めると、月々の不足分について目安が分かるでしょう。
 

できるだけ早く資産運用をスタート

目標の貯金額を設定したら、収入アップや節約によって、生活の余剰金を生み出さなければなりません。とはいえ、日々の生活が苦しいと、そのような余裕を持てない可能性があります。また、余剰金を確保できても、つい別の用途に費やしてしまうケースもあるでしょう。
 
それらの対策として有効なのが、普段の節約はもちろんのこと、毎月一定の少額を資産運用に充てるように設定しておくことです。老後を目前にして焦って資産運用を始めると、短期間で大きなリターンを得たいと思うために、ハイリスクの株式投資などを選択しやすくなります。元本割れが生じたときに、老後までに回復させるのは難しいかもしれません。
 
一方、早くから資産運用を始めると、リスクを抑えやすい投資信託のような方法で、地道に貯金を増やしていけます。貯めるペースを上げるには、iDeCoやNISAなどを利用して節税に努めることも大事です。
 

楽観視は厳禁!将来を見据えて行動に移そう

老後の収支について、年金をあてにして楽観的に考えるのは良くありません。不足する事態に備えて、計画的にお金を増やすことが安定した暮らしにつながります。
 
そのためには、目標となる貯金額を設定し、それを達成するために長期的な取り組みが必要です。さっそく資産運用の学習をするなど、ゴールを目指して早く行動するように心がけましょう。
 

出典

金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査
金融広報中央委員会 各種分類別データ(令和4年)
金融広報中央委員会 【調査結果(単純集計データ)】
総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)結果の概要
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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