更新日: 2023.08.31 その他老後
地方で1人暮らしをしている高齢の親が心配……行政や民間でどんなサービスが受けられる?
本記事では、高齢の親が利用できる行政・民間のサービスを5つ紹介します。どのような内容のサービスがあるかを知り、高齢の親や自分にとって安心できるサービスを選びましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
高齢者の1人暮らし率は増加している
内閣府「令和5年版高齢社会白書」によると、高齢者の1人暮らしの割合は増加しています。昭和55年に65歳以上の高齢者が1人暮らしをしている割合は、男性4.3%、女性11.2%でした。しかし令和2年は、男性15.0%、女性22.1%です。この割合は、今後も増加する見込みとされています。
1人暮らしの高齢親が頼れる行政・民間サービス
地方で高齢親が一人暮らしをしていると、離れて暮らす子どもは心配です。そのため、高齢の親の相談に乗ってくれたり見守ってくれたりするなどの、頼れるサービスがあると安心できるでしょう。
本項では、1人暮らしの高齢親が頼れるサービスを5つ紹介します。行政と民間のサービスがあるため、状況に合わせて選ぶことで高齢の親も自分自身も安心できるでしょう。
地域包括支援センター
地域包括支援センターは、生活や介護における悩みを総合的に相談できる機関です。地域包括支援センターにはケアマネージャーや保健師といった専門家が常駐しているため、生活・介護など幅広いサポートが期待できるでしょう。また、高齢者を狙った詐欺や悪徳商法への対応相談もできます。
利用したい場合は、高齢の親が住んでいる自治体の地域包括支援センターに問い合わせましょう。
年金生活者支援給付金
年金で生活をしている高齢の親で、収入が不安な場合に「年金生活者支援給付金」が給付されます。給付の条件として、以下の3点があります。
・65歳以上で老齢基礎年金を受給している
・同一世帯の全員が市町村民税非課税である
・前年の所得合計額が88万1200円以下である
年金生活で収入が少なく不安な場合は、この制度を利用するとよいでしょう。なお、前年の所得合計が78万1200円~88万1200円以下の方には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。
介護保険が適用される介護サービス
介護保険が適用されるのは、主に以下のサービスです。
・デイサービス
・訪問介護
・自宅での家事援助
・介護サービスの相談・ケアプラン作成
・福祉用具の利用
介護保険が適用されるのは直接的な介護のみならず、家事の援助やケアプランの作成など多岐にわたります。上手に利用することで、負担を減らせるでしょう。
高齢者向け宅食サービス
民間会社による高齢者向けの宅食サービスは、介護食も含めたお弁当の宅配がメインです。しかし、宅配のほか見守りサービスが付随しているサービスもあります。高齢の親の様子を見て、必要なときに連絡してくれるため安心です。
見守りサービス
セキュリティ会社による見守りサービスでは、体調不良・強引な訪問販売・空き巣対策などさまざまな面で見守りサービスを行っています。緊急時に家まで駆けつけてくれるサービスもあるため、一人暮らしでも安心できるでしょう。
高齢で機械に疎い親でも簡単に利用できるよう、セキュリティ会社への通報方法はペンダントを握るだけ、スマートウォッチとの連携、保温ポットの利用の頻度による確認など、幅広く用意されています。
1人暮らしの高齢親を見守れる行政・民間のサービスを活用しよう
行政・民間を問わず、地方で1人暮らししている高齢の親を見守ってくれるサービスは多くあります。行政によるサービスでは、地域包括支援センターや年金生活者支援給付金が利用可能です。
民間のサービスでは、介護保険が適用される、お弁当の宅配ついでに様子を見てくれる、セキュリティ会社の見守りサービスなどがあり、遠く離れていても心強いでしょう。ケアしてくれるそれぞれ内容は違うため、親と話し合い、必要なサービスを利用してください。
出典
内閣府 令和5年版高齢社会白書(全体版)(PDF版)
厚生労働省 年金生活者支援給付金制度について
日本年金機構 老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要
厚生労働省 介護事業所・生活関連情報検索
厚生労働省 地域包括ケアシステム
厚生労働省 介護保険サービス
公益財団法人 生命保険文化センター 公的介護保険で受けられるサービスの内容
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー