更新日: 2023.08.31 その他老後
仏壇から「親の古い通帳」が! 10年前から記帳していないけど、払い出しは可能?
本記事では、10年前から記帳していない古い通帳で払い出しはできるのかという疑問について解説します。本記事を通じて、古い通帳の扱いと必要な手続きについておさえておきましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
休眠預金とは?10年間も取り引きがない預金の扱い
通帳の記載から10年以上もの間、取り引きがない場合、その預金は「休眠預金」として扱われます。ただし、休眠預金だからといって、預金を引き出せないわけではありません。
2009年1月1日に法改正されて以降、「休眠預金等活用法」が制定され、最後の取引から10年以上経過し、その後の取り引きがない預金が休眠預金として扱われるようになりました。休眠預金になるのは、普通預金や定期預金、貯蓄預金、定期積金など多岐にわたります。なお、財形住宅や財形年金などの特定の預金や外貨預金などは、休眠預金の対象外です。
休眠預金となったとしても、金融機関での引き出しは可能です。通帳やキャッシュカード、本人確認書類を持参すれば、手続きを行えます。ただし、手続きにかかる時間や方法は金融機関ごとに異なるので、詳しい手続きについては直接、お取り引き先の金融機関に確認してみてください。
亡くなった親の預金を引き出すための手続きとは
亡くなった人の預金は、死亡が銀行に報告された際に、不正な引き出しを防ぐための措置として、一時的に凍結されます。公共料金の自動引き落としも停止されるため、手動での支払いが必要となります。
2019年7月1日以降の民法改正により、遺産分割が確定する前にも、ある程度の条件下で故人の預金の一部を引き出すことが可能となりました。具体的には、金融機関の窓口での手続きや、家庭裁判所を通じた方法が考えられます。
とくに、葬式代や一時的な生活費など急を要する費用に対して、新設された「預貯金の仮払い制度」を利用することで、預金が引き出し可能となりました。
ただし、引き出せる金額や方法には制限があり、詳細は金融機関によって異なります。具体的な手続きについては直接、金融機関に問い合わせてください。
また、急を要しない、亡くなった親の預金については、遺産相続手続きによって引き出せます。
休眠預金になった後の手続き
休眠口座に眠っている資金は、「預金保険機構」へ移管されています。預金者である親が生存している場合、休眠口座になった預金の引き出し手続きは比較的、シンプルです。取り引きのあった金融機関に、通帳・取引印・本人確認書類などを本人が持参すれば預金を引き出せます。
親がすでに亡くなっている場合も、相続人が適切な手続きをとれば預金は返還されます。故人の休眠口座にある資金を引き出すための手続きをスムーズに進めるためには、金融機関での口座情報や必要書類を整理することが重要です。また、遺言書や遺産分割協議書があった場合、それらの書類が必要になることもあります。
金融機関によって手続きが異なることもあるので、預金をしている金融機関に問い合わせ、必要書類や手続きを確認しましょう。
親の古い通帳は払い出しできる! 手続きや必要書類を確認しましょう
家の片隅や棚の奥から「親の古い通帳」を見つけると、驚きや疑問が湧き上がるものです。しかし、その古い通帳に記載された預金は、適切な手続きをすることで払い出しができます。
もし、10年以上の間に取り引きがなく、休眠口座となって、「預金保険機構」への移管後でも、元の金融機関にて必要書類を提出することで払い戻しを受けられます。親がすでに亡くなっている場合でも、相続人としての適切な手続きを行えば返還の対象となります。親の古い通帳を発見してもあわてずに、必要な情報や手続きの方法をしっかりと確認し、払い戻しを行いましょう。
出典
金融庁 長い間、お取引のない預金等はありませんか?
政府広報オンライン 放置したままの口座はありませんか? 10年たつと「休眠預金」に。
法務局 相続に関するルール
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー