「60歳からの終活」残すべきお金・残さないお金とは?

配信日: 2023.09.03

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「60歳からの終活」残すべきお金・残さないお金とは?
老後の生活の方針を明確にし、家族に負担をかけないために、終活を検討する方が増えています。しかし、どのような資金を残すべきかについて悩んでいる方もいるでしょう。
 
本記事では、60歳からの終活で残すべきお金や残さなくてもよいお金について解説します。60歳からの終活において残すべき資金について把握して、具体的な計画を立てる際に役立ててください。
FINANCIAL FIELD編集部

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60歳からの終活で残すべきお金

60歳からの終活において特に考慮すべき資金は、将来の生活費、介護費、医療費、そして葬儀費用です。これらの資金を計画的に確保することで、家族の負担を軽減可能です。
 
必要な資金を明確にすることで、老後の資金準備がスムーズになるでしょう。本項では、60歳からの終活で残すべきお金について紹介します。

 

自身の生活費

60歳から終活を始める際には、将来の生活費を計算し、その資金を確保することが不可欠です。年金などの老後の収入から、食費や交際費などの老後の支出を差し引いた結果がプラスの場合、多くの資金を準備する必要はないかもしれません。しかし、マイナスの場合は、不足分を考慮して充分な資金を用意しておくことが重要です。
 
充分な生活費が確保されていないと、子どもや親族に迷惑をかける可能性があります。終活においては、残りの生活費を計算し、準備することがなによりも大切です。
 
また、将来の生活費を試算する際には、孫へのプレゼント代や子どもへの援助資金など、先々の臨時支出も考慮に入れることが重要です。年金見込み額については、「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」で確認できます。

 

介護費や医療費

厚生労働省の「令和2年度 医療保険に関する基礎資料」によると、年齢階級別の1人あたり医療費の平均は、図表1のとおりです。
 
【図表1】

年齢階級 医療費
60〜64歳 36.4万円
65〜69歳 45.6万円
70〜74歳 58.4万円
75〜79歳 75.5万円
80〜84歳 89.5万円
85〜89歳 102.4万円
90〜94歳 111.1万円
95〜99歳 116.3万円
100歳〜 113.1万円

(厚生労働省の「令和2年度 医療保険に関する基礎資料」より抜粋)
 
医療費は、年齢とともに高くなる傾向があります。また、生命保険文化センターの「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査」によると、介護に要した費用の平均は74万円であり、月平均の費用は8.3万円です。
 
高齢になると、病気や介護のリスクが増加します。病気による治療や通院、介護が必要になった場合に備えて、事前に資金を準備しておくことが重要です。介護費や医療費は高額になるケースもあるため、資金の準備がないと、子どもや親族に大きな負担がかかる可能性があります。
 
介護や医療に関連する保険に入っている場合、その内容や保険証券の保管場所などを家族に事前に伝えることをおすすめします。もし病気や介護が必要になった際の希望や意向がある場合は、意思表示書などを残しておくことで、家族もスムーズな対応が可能になります。

 

葬儀費用

葬儀の費用についても考慮に入れることで、家族の負担を減らすことができます。株式会社鎌倉新書の「第5回お葬式に関する全国調査」によると、2022年における葬儀費用の平均は110万7000円でした。
 
葬儀の種類によって異なりますが、一般的には100万から200万円程度の費用を用意しておくとよいでしょう。

 

60歳からの終活で残さなくてもよいお金

終活で残さなくてもよいといわれるものには、相続予定のないお金や資産、借金などが挙げられます。このようなお金を残してしまうと、家族間でトラブルが発生したり、膨大な負担が生じる可能性があるため、慎重な判断が求められます。
 
本項では、60歳からの終活で残さなくてもよいお金についてみていきましょう。家族と事前に共有しておくことをおすすめします。

 

相続予定のないお金・資産

通常、相続予定がないお金や資産は、残さなくてもよいものとみなされます。これらを残すことで、家族に不必要な負担をもたらし、さらにはトラブルの原因となる可能性もあります。相続の予定がない資産や財産については、生前に見直し、必要なら処分するなどの検討が大切です。

 

借金

借金がある場合は、生前に完済することを目指すようにしましょう。もし返済が難しい状況であれば、家族に事前にその旨を伝えておくことが重要です。本人が亡くなった後に、家族が借金の存在を知ることになれば、大きな問題を引き起こす可能性があります。
 
もし、多額の借金がある場合は、なるべく早い段階で家族に伝えたのち、必要なら専門家に相談し、返済方法などについて充分に検討しておくことが大切です。

 

残される親族のことを想い終活をすることが重要

60歳からの終活を検討する際には、生活費、介護費、医療費、葬儀費などの資金を残すことをおすすめします。また、相続予定のない資産や借金は、家族間のトラブルの原因になる可能性があるため、残さないように注意しましょう。
 
家族のことを考えながら、終活をすることが何より大切です。早速、残すべき資金と残さないほうがよい資金を整理し、家族とも共有しましょう。

 

出典

厚生労働省「令和2年度 医療保険に関する基礎資料」
公益財団法人 生命保険文化センター 2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査
株式会社鎌倉新書 「第5回お葬式に関する全国調査」
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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