更新日: 2023.09.08 セカンドライフ

早めに「年金生活」の準備をしたい!今から始めるべき5つのステップとは?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

早めに「年金生活」の準備をしたい!今から始めるべき5つのステップとは?
65歳以上になると、定年退職して公的年金だけで老後を過ごすことになります。ただ、公的年金だけで生活しようとすると、理想と現実のギャップに苦しむ可能性も否定できません。
 
本記事では、豊かな老後を過ごすために必要な準備を、5つのステップに分けて紹介しています。年金生活の準備をどこから始めたらいいかわからない方は参考にしてください。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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ステップ1:老後の生活のために準備するべき資金を確認する

老後(65歳以上)の生活に必要な資金は、以下表のとおりです。
 

パターン 収入(公的年金) 支出
夫婦のみ(無職) 246,237円 236,696円
単身(無職) 134,915円 143,139円

 
どちらのパターンも収入・支出額がほとんど同じなので、老後資金を用意する必要がないように見えます。ただ、突然の出費や年金支給額の減少などイレギュラーな出来事が起こると、公的年金だけでの生活が厳しくなるのです。
 
豊かな老後生活を送るためには、約38万円(二人世帯の場合)必要といわれており、公的年金に加えて、約14万円の資金を上乗せする必要があります。そのため、年金だけに頼るのではなく、今のうちに貯蓄しなければいけません。
 

ステップ2:老後の支出を確認しておく

老後の支出内容は、働いていた時期から大きく変化します。
 

働いていた時期の主な支 子どもの教育費用、厚生年金・国民年金、ビジネス用具(スーツなど)
老後の主な支出 娯楽費、交際費
共通する支出 光熱費、家賃(住宅ローン)、保険料(生命保険含む)

 
老後は働いていた時期とは違い、子どもにかかる金額や年金を支払う必要がなくなるため、支出額は減少します。ただ、定年退職後は固定の給料が入らなくなり収入も落ちるため、貯蓄していないと、お金に余裕のある生活は成り立ちません。
 
老後にしかできない娯楽などを思う存分楽しむためにも、ステップ3で貯金金額の目安を計算してみましょう。
 

ステップ3:定年退職までの収入を計算する

まずは、定年退職までの収入と老後に必要な金額を見比べてみましょう。豊かな老後を過ごすためには、公的年金以外にも資金を貯金する必要があります。
 

パターン 必要な老後資金
夫婦のみ(無職) 約7,100万円
単身(無職) 約4,300万円

 
※65~90歳までの25年間が対象
参考:総務省「家計調査年報(2022年)」
 
夫婦世帯の場合、約7,100万円の資金が最低でも必要です。のんびりとした余生を過ごすためにも、定年退職までの収入を計算して、老後の生活資金を貯めましょう。
 

ステップ4:住宅ローンや生命保険を見直す

住宅ローンを組んでいる方は、月々の返済額や完済時期を見直しましょう。老後の安心や生活の利便性などの理由から、定年退職まで残り年数の少ない50代から住宅を購入する方も多いです。
 
住宅ローンは完済年齢の上限が80歳未満と決めている金融機関が多く、購入時期によっては月々の返済額が苦しくなり、老後に必要な資金まで手が回らない可能性があります。
 
併せて生命保険の見直しも実施しておきましょう。見直すポイントは以下の3つです。
 

●月々の保険料に見合う保障内容かどうか
●保証期間はいつまでか
●保険が適用されたとき、どれくらいの金額が手元に入るか

 
生命保険は、結婚や子どもの独立、定年退職などのイベントごとに見直すものです。豊かな老後を過ごすためにも、住宅ローン・生命保険の見直しを早めに実施しましょう。
 

ステップ5:老後の資金を運用してみる

老後の資金を金融機関に貯金するのもよいですが、以下の方法で老後の資金の運用も考えてみましょう。
 

貯蓄方法 メリット デメリット
iDeCo(個人型確定拠出年金)に加入する ・運用益に税金がかからない
・掛金は所得控除の対象となる
・60歳までは引き出せない
・元金割れする可能性がある
個人年金保険 ・保険料として老後の資金を積み立てられる
・掛金は所得控除の対象となる
・60歳までは引き出せない
・元金割れする可能性がある
積立NISA ・運用益に税金がかからない
・商品の種類が多い
・年間の積立金額上限が決まっている
・元金割れする可能性がある

 
参考:北陸銀行「ほくぎんマネーのツボ」
 
個人年金保険やiDeCo、積立NISAは、運用益に税金が発生しなかったり、掛金が所得控除の対象になったりと、貯金よりもメリットが大きいです。ただ、元本割れするデメリットもあります。
 
ステップ1~4で算出した月々の支出や必要貯金額を考慮して、資金を運用しましょう。
 

早めの対策で老後の生活を豊かにしよう

豊かでのんびりした老後を過ごすためには、公的年金だけでなく、貯金や金融商品などの資産をコツコツ積み上げる必要があります。
 
老後に必要な資金や支出、現在支払っている住宅ローンや生命保険の見直しを行い、計画的に資産を増やしましょう。
 

出典

公営財団法人 生命保険文化センター

総務省「家計調査年報(2022年)」

日本経済新聞

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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