更新日: 2023.09.14 定年・退職

定年後に給与が「2分の1」に! 収入が減ったら「高年齢雇用継続基本給付金」を受け取れるって本当?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

定年後に給与が「2分の1」に! 収入が減ったら「高年齢雇用継続基本給付金」を受け取れるって本当?
定年後、再雇用などで働いているものの賃金が減った場合、生活費を補うための制度として「高年齢雇用継続基本給付」というものがあります。
 
本記事では、定年後に賃金が「2分の1」になった人を例に挙げて、その中から「高年齢雇用継続基本給付金」を受け取ることができるのかを解説します。合わせて、給付金の受給資格をはじめ、受給額の計算方法、手続きの仕方も紹介していきます。
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高年齢雇用継続基本給付金とは?

「高年齢雇用継続基本給付金」とは、継続雇用されていて、60歳時点の賃金と比べて60歳以後の賃金が75%未満に下がった人が、次に挙げる2つの受給要件を満たした場合、受け取ることができる給付金のことです。受給要件は、以下の2つです。
 

●60歳以上65歳未満の雇用保険の一般被保険者であること
●雇用保険の被保険者期間が5年以上あること

 
ただし、再就職給付金を含む基本手当(失業手当)を受給している人は対象外になります。
 
例として、定年後に継続して雇用されているけれど、賃金が「2分の1」になった人の場合で考えてみましょう。
 
60歳以後の賃金(みなし賃金を含む)が75%未満という条件は満たしているため、「60歳以上65歳未満の雇用保険の一般被保険者であること」「雇用保険の被保険者期間が5年以上あること」という条件を満たしていれば、高年齢雇用継続基本給付金を受け取ることができるでしょう。
 
高年齢雇用継続基本給付金の支給額は誰もが同じ金額ではなく、「賃金額×支給率」の計算式から求めます。支給率は賃金の低下率(60歳到達時の賃金月額と比較してどのぐらい賃金が下がったのか)によって決まります。
 
60歳到達時の賃金月額を求める計算式は「60歳に到達する前の6ヶ月の総支給額÷180×30」です。賃金の低下率を求める計算式は「支給対象月に支払われた賃金額÷60歳到達時の賃金月額×100」になります。
 
この低下率に応じて支給率が決められており、その数字をもとに支給額を計算します。例えば、低下率が61%以上の場合、支給率は最大の15.00%となります。
 

受給手続きの仕方とは?

高年齢雇用継続給付の手続きは、勤務する事業所を管轄するハローワークで行いましょう。手続きは基本的には事業主経由で行いますが、自分自身で行うことも可能です。初めて手続きする際は、以下が必要です。
 

●雇用保険被保険者六十歳到達時等賃金証明書
●高年齢雇用継続給付受給資格確認票・高年齢雇用継続給付支給申請書
●雇用されていることと賃金を証明できる書類
●身分証明書

 
身分証明書は運転免許証やパスポートなど、年齢が確認できるものが必要です。2回目以降の申請には、高年齢雇用継続給付支給申請書と賃金を証明できる書類が必要になります。
 
なお、受給期間は「被保険者が60歳に到達した月から65歳に達する月まで」です。とは言え、60歳到達時には受給資格を満たしていないこともあるでしょう。このような場合、受給資格を満たした日の属する月から受給することが可能です。65歳に達する月以降は、高年齢雇用継続基本給付金を受け取ることはできません。早めに手続きをするようにしましょう。
 

老後の生活のためにも支給要件に当てはまれば申請手続きを!

例に挙げた定年後に継続雇用され、賃金が「2分の1」になった人の場合、60歳以後の賃金が75%未満という条件を満たしているため、「60歳以上65歳未満の雇用保険の一般被保険者」であり、「雇用保険の被保険者期間が5年以上」であれば、高年齢雇用継続基本給付金を受け取ることができます。
 
老後の生活のためにも、支給要件に当てはまるようであれば、申請手続きを行うようにしましょう。
 

出典

厚生労働省 Q&A~高年齢雇用継続給付~

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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