更新日: 2023.09.20 定年・退職
老後に働く理由の「約42%」がお金のため!? 希望する勤務日数は「週3日」程度? シニア層の働き方について解説
今回は、リクルートが2023年の3月にインターネットにて55~74歳の男女に対して行った、「シニア層の就業実態・意識調査 2023(個人編)」を用い、シニア層の労働に関する意識について解説していきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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集計上の調査対象
同調査の主な集計対象は60~74歳で、55~59歳の回答結果は全体値のみです。
また、この調査では現在働いておらず、今後も働くつもりがない人は調査の対象外としています。なお、現在働いておらず、今後も働くつもりがないという人は61.1%いました。
働きたい理由は生活のためがトップ
今後働きたい理由を複数回答で調査した結果、1~10位は次のとおりです。
1位(41.9%):生計の維持のため
2位(38.0%):健康維持のため
3位(34.7%):自由に使えるお金(小遣い)の確保ため
4位(32.5%):社会とのつながりを得るため
5位(31.5%):家計を補助するため
6位(20.5%):貯蓄、貯金をするため
7位(15.5%):暇な時間をつぶすため
8位(12.4%):旅行の費用を稼ぐため
9位(12.3%):社会に貢献するため
10位(11.8%):働くことが好きだから
1位は「生計の維持のため」という結果でした。なお、男女とも年齢を重ねるごとに、働きたい理由が生活のためという割合は減り、反対に2位の「健康維持のため」や、4位の「社会とのつながりを得るため」といった、やりがいに関するものが増えています。
希望する働き方
今後の就労で希望する1日の勤務時間として最も多い回答は5時間程度です。ただし、この項目では男女差がかなりあり、男性で最も多い希望割合は「8時間程度」なのに対し、女性は「4時間程度」となっています。
そして、やはり男女とも歳を重ねるにつれ、基本的には希望する勤務時間が短くなっていきます。それでも、70~74歳の男性・女性ともに4時間や5時間を希望する人が他の時間よりも多いです。
一方で、1時間や2時間という短時間労働を望む割合は高年齢層でも低く、働くとしたらある程度、連続した労働時間を望む人が多いと言えるでしょう。
また、希望する勤務日数として最も多かったのは週に3日程度でした。とはいえ、ここでも男女差があり、男性だけだと最も多いのは週に5日程度、女性だけだと週3日程度です。
最後に希望する雇用形態については、男女計でも男性・女性各単独でも、アルバイトやパートを希望する人が最も多く、男性で43.3%、女性で75.7%、全体として59.3%です。
まとめ
老後に働く理由の傾向としては、比較的若いうちは生活のため、その後は人生をより充実させるために働くという人が多いようです。働き方は男女差があるものの、歳を重ねるにつれて時間は短めに、とは考えつつも1~2時間の短時間ではなく、4~5時間ほどは働きたいと考える人が多いです。
自分の老後の仕事について決める際には、自身の収入や支出、貯蓄状況を踏まえながら、何のために働くのか、どのような働き方をしたいかを考えてから行動するとよいでしょう。
出典
株式会社リクルート ジョブズリサーチセンター【基本報告書】シニア層の就業実態・意識調査 2023―個人編 60~74歳―
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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