「社会保障給付」の年収だけでは老後の生活は賄えない?~65歳以上世帯の切実なお金事情~
配信日: 2023.09.22
しかし年金不足が問題視されるなか、社会保障給付費だけで老後にかかる支出をまかなうことはできるのかと、心配な人もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は、社会保障給付費について解説します。さらに、65歳以上の世帯の平均収支をご紹介。
「老後のお金について知りたい」人は、ぜひ参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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「社会保障給付費」とは?
「社会保障給付費」は、以下の3分野に分けられ、保険料と公費を財源としています。
●医療
●年金
●福祉その他
「福祉その他」には、介護・生活保護などが該当します。
社会保障給付費のうち、最も多くの割合を占めているのが「年金(全体の44.8%)」です。高齢化社会の進展にともない、社会保障給付費は、年々増加傾向にあります。そのなかでも「年金」は、老後の生活を支える大きな柱になる部分です。
65歳以上の世帯における収支
総務省統計局の「家計調査(家計収支編)2022年(令和4年)」では、65歳以上の夫婦のみの無職世帯における社会保障給付費の平均値は、22万418円とのデータが出ました。そのほかの収入と合わせると、実収入は24万6237円と予測されます。
対して支出は、消費支出と非消費支出(税金や社会保険料など)を合計すると、26万8508円となります。
社会保障給付費だけで老後の生活費はまかなえるのか
総務省統計局「家計調査」のデータを参照して、不足分をみてみましょう。
実収入の24万6237円から、支出の26万8508円を差し引くと、2万2271円が不足分となります。年金以外の収入がまったくないケースであれば、不足分は4万8090円となり、その分、負担が大きくなってしまうでしょう。
月に約4万8090円不足するとなると、年間では57万7080円、仮に65歳~90歳までの25年間で計算すると1443万円ほど必要になります。予想される支出のほかにも、医療費や介護費などの費用が追加される可能性を考えると、さらに負担は大きくなるでしょう。
年金は、人によってもらえる額が異なりますし、家庭のライフスタイルによって、支出も大きく変動することが考えられます。不足分はあくまで目安ですが、足りない分は、自分たちの貯蓄でまかなわなければなりません。余裕のある老後資金が必要と、いえるでしょう。
老後のお金に困らないためには早めに資金を準備しよう
今回の結果により、社会保障給付費である年金だけでは、老後の生活をまかなうのは難しいことが明らかとなりました。人それぞれで収支は異なりますが、年金不足が問題となっているいま、自分たちで、老後の資金を用意しておくに越したことはありません。
早めに老後資金の準備を始めることで、将来のお金の不安軽減につながるでしょう。
出典
厚生労働省 給付と負担について
総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年) 2022年(令和4年)家計の概要(18ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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