65歳独身、「退職金2000万円」と「貯金500万円」があれば、老後の年金が月10万円でも生活できる?

配信日: 2023.09.26

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65歳独身、「退職金2000万円」と「貯金500万円」があれば、老後の年金が月10万円でも生活できる?
年金のみで悠々自適な暮らしができる時代は終わったといわれることも多いですが、老後資金はいくらあれば安心できるのか気になる人も多いのではないでしょうか。
 
本記事では、65歳時点で以下のような場合に、今後は働かなくても生活できるのか解説します。
 
・単身世帯
・資産は「退職金2000万円、預貯金500万円」
・今後もらえる年金は毎月10万円
・その他の資産や投資などを含む収入は現時点で存在しない
FINANCIAL FIELD編集部

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65歳以降に最低限必要な生活費は月15万円?

たとえひとり暮らしでも、毎日の生活には少なくないお金がかかります。65歳以降に働かなくても問題ないかどうかを知るには、今後毎月どのくらいの生活費が必要となるのかを明確に把握する必要があります。
 
総務省統計局が発表した2022年の家計調査報告では、65歳以上で単身無職世帯の場合の消費支出は14万3139円、非消費支出は1万2356円となっています。つまり、ひとり暮らしでも毎月15万5495円支出が発生することが分かります。
 

月10万円の年金だけだと生活が破綻する?

65歳から原則老齢年金を受け取ることができますが、今回は月10万円をもらえると仮定すると、15万円の支出の場合は5万円の赤字です。赤字分全額を退職金と預貯金でカバーする必要がありますが、合計2500万円あるため散財しない限り、直ちに生活に困るとは考えにくいでしょう。
 
それでも、少なくとも年間60万円ずつは退職金+預貯金から取り崩す形となります。単純計算で2500万円を60万円で割ると、約41年で資金が底をついてしまいます。65歳の41年後は106歳となっているため「そこまで長生きしないから問題ない」と考える人もいるかもしれません。
 
厚生労働省が公表している「令和4年簡易生命表の概況」によると、日本人の平均寿命は男性で81.05歳、女性は87.09歳となっています。最近では、人生100年時代ともいわれることも増えましたが、仮に100歳まで生きても、先述の計算上は「逃げ切れる」かもしれません。
 
ただし、先ほどの試算はあくまで毎月の支出や資産価値が変化しないという前提の上で成り立ちます。


・病気やけがなど不測の事態が発生して通院や入院などの費用がかかる
・冷蔵庫や洗濯機など生活必需品といえる家電製品が故障して買い替えなければならない
・為替レートの変動や物価の上昇などで「円の価値」が下がり、実質的な資産が目減りする
・消費税や社会保険料などの負担が増えて、可処分所得が減る

以上のようなことが起こる可能性も十分考えられます。不測の事態が発生しなかったとしても、国内外へ旅行に出かけたい、家族や友人と楽しむためにお金を使いたいと考えるのも自然なことです。
 
そのため実際は月15万円程度ではなく、それ以上の支出がある可能性が高いと考えたほうが良いかもしれません。
 

年金以外の収入を作ることも検討する

退職金と預貯金が2500万円あるため、余程のことがない限り今すぐ生活に困ることは考えにくいですが、一生涯問題ないといった保証はどこにもありません。自分の病気やけが、家族の介護などが重なり、想定よりもはやいスピードで資産が減少する可能性もあります。
 
老後の資産への不安や不測の事態に備えるためにも、年金以外の収入を作ることも検討してみてはいかがでしょうか。65歳以上の場合、正社員として働くのは狭き門かもしれませんが、パートやアルバイトなども含めると求人が全くないわけではありません。
 
仮に月10万円の収入があると、年金とあわせて20万円の収入となり、15万円の支出の場合は赤字が解消されます。不測の事態への備えができるだけでなく、旅行など余暇を楽しむ余裕も出てくるかもしれません。
 

まとめ

65歳時点で「退職金2000万円・貯金500万円」あったら老後は月10万円の年金だけでも生活できるのか解説しました。
 
これからは生涯現役でできる限り長く働くことも珍しくない時代です。収入を増やすだけでなく、通勤や同僚との会話などで社会とのつながりを維持することができるのも、働き続けることのメリットの1つです。
 

出典

総務省統計局 家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)平均結果の概要
厚生労働省 令和4年簡易生命表の概況
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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