更新日: 2023.09.26 定年・退職

65歳で定年退職しました。シルバー人材で働こうと思うのですが、稼げないって本当ですか?

65歳で定年退職しました。シルバー人材で働こうと思うのですが、稼げないって本当ですか?
定年退職を機に、シルバー人材で働く人は多くいます。全国シルバー人材センター事業協会の「事業年度統計」によると、令和3年度の会員数は68万6651人です。ピーク時からは10万人程度減少していますが、それでも定年後の働き方の一つとして定着していることがうかがえます。働くうえでの問題点は、シルバー人材が稼げるかどうかでしょう。
 
本記事では、シルバー人材の概要と稼げるかどうかについて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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シルバー人材とは?

シルバー人材は「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」に基づく、国による高齢者活用施策の一つです。働くことによる高齢者の生きがいの創出と、地域社会の福祉の向上や活性化を主な目的としています。
 

シルバー人材の仕組み

シルバー人材の実施主体は、全国シルバー人材センター事業協会(以下「事業協会」と記載)とシルバー人材センター連合(以下「連合」と記載)です。また、現場の運営は市区町村のシルバー人材センター(以下「センター」と記載)が担います。
 
国(厚生労働省)からは、事業協会や連合に対して、運営費や事業費が補助されています。仕事の開拓、発注、依頼などはセンターの役割です。シルバー人材で働きたい場合は、センターに入会します。60歳以上の健康な人で、入会申込書、入会承諾書、本人確認書類などの提出と年会費(2000円)を支払えば、誰でも入会できます。
 

シルバー人材の働き方

シルバー人材の基本的な働き方は、「請負・委任」です。月10日程度の臨時的・短期的な仕事や、週20時間未満の軽易な仕事が基本になります。請負・委任では会員とセンターとの間に雇用関係はなく、発注者から指揮命令も受けません。そのため自由度は高いですが、就業機会の公平性を保つために、原則、仕事は同僚会員とのローテーションになります。
 
シルバー人材は自分の体力や能力などに応じて働けますが、希望する仕事や就業日数が保障されていない点にも注意が必要です。また、請負・委任には原則として労災保険が適用されないため、センターが「会員傷害保険」に加入して就業中の負傷に備えています。
 

仕事の種類

センターが取り扱う仕事の種類は多種多様です。よく知られたものには、除草や清掃、障子やふすまの張り替えなどがあります。それ以外にも、空き家や公園の管理、観光案内といったさまざまな仕事が用意されています。
 

シルバー人材は稼げるのか?

事業協会では、月に8〜10日程度就業した場合、全国平均で月額3〜5万円程度稼げるとしています。そのため、年収にすると36〜60万円程度は稼げる可能性があります。シルバー人材の仕事だけで生活費を賄うのは難しいかもしれませんが、年金受給者の副業にはなるのではないでしょうか。
 
なお、シルバー人材の請負・委任による収入は「配分金」とよばれ、雑所得に該当するため確定申告が必要な場合もあります。
 

年金収入の上乗せでいいならよい選択かもしれない

60歳以上で健康であれば、シルバー人材センターに必要書類などを提出してするだけで、誰でもシルバー人材で働くことができます。シルバー人材の魅力は自由度の高さと仕事の種類の豊富さです。
 
一方で、毎日仕事があるわけではなく、希望する仕事に必ず就けるわけでもありません。また、平均収入は月額3〜5万円のため、決して高いとはいえないでしょう。ただ、年金収入への上乗せ程度でよければ、社会との接点が維持できるシルバー人材はよい選択かもしれません。
 

出典

e-GOV 法令検索 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律

厚生労働省 令和5年度予算概算要求について

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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