更新日: 2023.10.02 定年・退職
定年後に年収が「600万円」から「400万円」に! その場合は「給付金」が受け取れるって本当?
国税庁の民間給与実態統計調査によると、2022年の年齢階層別の平均給与は、55歳から59歳の階層では546万円ですが、定年を迎える人が多い60歳から64歳の階層では平均441万円になっています。このように定年後は年収が下がってしまう可能性がありますが、年収が一定金額下がると給付金を受け取れるのはご存じでしょうか?
そこで本記事では、年収が減ってしまった場合に受け取れる給付金について解説していきます。年収が600万円から400万円に減ってしまった場合の給付金額についても紹介するので参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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定年後に年収が下がった場合に受け取れる給付金
定年後に年収が一定金額下がった場合に受け取れるのが高年齢雇用継続給付です。「高年齢雇用継続基本給付金」と「高年齢再就職給付金」の2つがあります。
高年齢雇用継続基本給付金
高年齢雇用継続基本給付金は、定年後も継続して同じ企業で雇用され、60歳以降の賃金が60歳時点の賃金と比較して75%未満になっている人に支給される給付金です。次の2つの要件を満たす必要があります。
●60歳以上65歳未満の雇用保険の一般保険者であること
●雇用保険に加入している期間が5年以上あること
また再就職手当といった給付金を受け取っていないことも要件となっています。
高年齢再就職給付金
高年齢再就職給付金は、基本手当を受給し、定年後に他の企業に再就職した人が対象で、再就職後に支払われる賃金が基本手当の基準となった賃金日額を30倍した額の75%未満となった人に支給される給付金です。給付の要件は次の5つになっています。
●60歳以上65歳未満の雇用保険の一般保険者であること
●基本手当の算定基礎期間が5年以上あること
●基本手当の支給残日数が再就職した日の前日から数えて100日以上あること
●再就職先に1年を超えて雇用されることが確実であること
●同一の就職について再就職手当の給付を受けるのが初めてであること(2重支払いの防止)
年収が600万円から400万円に下がった場合、いくら受け取れる?
年収が600万円から400万円になった場合は、200万円減少しているので低下率は約66.6%となり、高年齢雇用継続給付の対象になります。再雇用と再就職のどちらでも、要件を満たすことで給付金を受け取ることが可能です。
賃金の低下率によって支給される率が決まります。例えば、66.6%の低下率の場合は8.35%(便宜上66.5%の場合で計算)の支給率です。
この支給率に支払い対象月の賃金を乗じて計算されます。年収400万円の月額は33万3333円です。支給率の8.35%を乗じてみると、月額2万7833円です。この金額を60歳から65歳に達する月まで受け取れます。
働き方や生活の仕方を定年前から考えておきましょう
定年後は再雇用や再就職をしても年収が下がってしまう人が多く、生活に困ってしまう場合があります。その際は高年齢雇用継続給付の受給も検討してください。高年齢雇用継続給付は要件を満たせばだれでも受け取れる給付金です。65歳に達する月までは毎月支給されるので日々の生活の足しになります。
65歳になると年金を受給できるようになるので、働き方もさらに変化するでしょう。定年後も生活は続いていくのですから、働き方や生活の仕方を定年前から考えることをおすすめします。
出典
国税庁 令和4年分 民間給与実態統計調査―調査結果報告―
厚生労働省 Q&A~高年齢雇用継続給付~
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー