老後は「持ち家」があれば安泰ですか? やはり賃貸だと部屋を借りにくくなるのでしょうか?

配信日: 2023.10.06

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老後は「持ち家」があれば安泰ですか? やはり賃貸だと部屋を借りにくくなるのでしょうか?
賃貸物件に住んでいる人は、老後も借り続けられるのかどうか疑問に思うことはありませんか。一般的に老後は現役の頃のような収入を得るのが難しくなるため、家賃を払い続けられるか不安に感じることもあるでしょう。定年退職まで時間があるのなら、持ち家を検討してみるのもいいかもしれません。
 
今回は、老後の住居問題について、65歳以上の単身世帯のケースで解説していきます。
FINANCIAL FIELD編集部

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老後は賃貸物件を借りにくくなる?

高齢者の場合、賃貸物件が借りにくいといわれる理由として「孤独死の懸念」「収入が低い」「火災などの事故の心配」などが挙げられます。特に、単身者の場合に懸念されるのが孤独死です。孤独死は、発見までに時間がかかるほど、建物にも影響を及ぼします。物件のオーナーにとって、建物がダメージを受ければその後の収益に関わる大きな問題に発展してしまいます。
 
しかし、だからといって必ずしも高齢者が賃貸物件を借りにくいということではなりません。物件によっては高齢者に向かない条件のものもありますが、近隣に親族が住んでいるなど定期的に訪ねてくる人がいるのなら問題ないとする物件オーナーもいます。気になる経済面でも、年金収入や保有する資産に見合った物件であれば契約することは可能です。
 
持ち家があっても、子どもの自立を機に処分して狭い賃貸に移る人もいるように、まずは自分に合った物件選びをすることが大切です。
 

持ち家があったほうが老後は安泰なのか?

総務省統計局がまとめている家計調査の「総世帯及び単身世帯の家計収支」で65歳以上の単身無職世帯を見ると、1ヶ月当たりの平均消費支出は13万2476円になっています。これに税金などの非消費支出の平均月額1万2271円を合わせると、毎月必要な生活費の平均は14万4747円です。
 
厚生年金保険(第1号)受給者の平均年金月額は、老齢基礎年金も含めて令和3年度で14万5665円なので、年金で生活すること自体は可能といえるでしょう。
 
ただし、この数字はあくまで平均を出したもので、住まいについては持ち家も含まれています。住居費は消費支出の9.9%を占めており、金額にすると1万3000円ほどです。
 
持ち家の場合、年間で必ずかかる費用は戸建てであれば固定資産税、マンションなどであれば追加で管理費や修繕積立金程度です。賃貸物件の場合は、1ヶ月の家賃を1万3000円程度で収めるのは一般的に難しいでしょう。
 

持ち家のメリット・デメリットは?

では、持ち家があるほうが良いのかどうかを考えるために、メリットとデメリットをそれぞれあげていきます。
 

・メリット

持ち家のメリットは、基本的に自由に使えることです。リフォームも好きなようにできますし、壁や床に傷がついても賃貸のように神経質になることはありません。
 
自分の家である以上、審査や更新もなく一生そこで暮らせます。家賃が不要で、年間にかかるお金は固定資産税などだけです。戸建ての場合は、ペットを飼ったり他人を住まわせたりするのも、自分の一存で決められます。
 

・デメリット

持ち家のデメリットは、戸建てであれば管理や修繕が自己負担になることです。老朽化が進んだり庭が広かったりすると、手入れに手間やお金がかかります。また、マンションであれば修繕積立金を毎月支払うため、「持ち家なら固定資産税だけ払えば良い」とはいかない点に注意が必要です。
 
さらに、近隣に迷惑な人が住んでいても、簡単に引っ越すのが難しいのも持ち家のデメリットです。ただし、庭を最小限にするなど工夫次第で手入れしやすい快適な家にすることもできます。
 

老後の住居は自分に合った選択をしましょう

今回紹介した月々の支出や年金受給額は、あくまで平均です。もっと高い年金を受給できる人なら、賃貸物件でも生活は楽でしょう。老後を考え、コンパクトで住みやすい持ち家を購入するのも良い選択です。もちろん、無理なく購入できるかどうかも判断しなければなりません。
 
自分の趣味や生活スタイルに合った暮らしやすい住居を選択することが大切です。
 

出典

総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)
厚生労働省 令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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