更新日: 2023.10.13 セカンドライフ

60代でも半分以上が働いている!?「貯蓄ゼロ」の割合はどのくらい? 年金の受給額とあわせて現状を分析

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

60代でも半分以上が働いている!?「貯蓄ゼロ」の割合はどのくらい? 年金の受給額とあわせて現状を分析
60歳代というと、仕事も一段落して第2の人生をスタートさせている人も多くいます。一方、近年では60歳代でも働く人は増加し続けています。また、老後の収入は年金を頼りにしている人も少なくありませんが、現在の60歳代の人はどれくらい貯蓄があり、年金をいくらくらいもらっているのでしょうか。
 
本記事では、60歳代の人がどれくらい働き、貯蓄はどれくらいあり、年金はいくらもらっているのかについて解説しています。
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60歳代の半分以上は働いている

内閣府の「令和5年版高齢社会白書」によると、2022年において60~64歳の就業率は73.0%、65~69歳では50.8%です。このことから、おおよそ60歳代の半分以上の人は働いているといえます。ちなみに、10年前の2012年時点では、60~64歳の就業率は57.7%、65~69歳では37.1%ですので、それぞれここ10年で10%以上増えています。
 
なお、働き方という面で見ると、60歳以降では非正規の職員・従業員の比率が大幅に上昇しています。具体的には、役員を除く雇用者のうち非正規の職員・従業員の比率は、男性の場合、55~59歳では11.0%ですが、60~64歳で45.3%、65~69歳では67.3%です。
 

60歳代の平均的な貯蓄の状況

老後の生活を支えるものとしては、基本的には年金、働くことによる収入、そして貯蓄の3つです。60歳代の平均的な貯蓄について、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[総世帯]令和4年調査結果」を見ていきましょう。
 
本調査によると、60歳代の貯蓄の平均値は1689万円です。かなり多いと感じる人もいるかもしれませんが、平均値では貯蓄が飛びぬけて多い世帯の影響が強く表れてしまいます。そのため、貯蓄が高い世帯から順番に並べた際に中央にくる世帯の値である中央値を見ることも大切です。そして、60歳代の貯蓄の中央値は552万円です。
 
中には、「うちには全く貯蓄が無いけど、大丈夫なのか」と不安になる人もいるかもしれませんが、60歳代で金融資産がゼロの世帯も23.1%あります。つまり、5世帯あったら1世帯以上は貯蓄がゼロということです。他がゼロだから、自身のところもゼロで大丈夫とは限りませんが、60歳代で貯蓄がゼロでも決して珍しいことではないと言えそうです。
 

60歳代の年金受給額

年金は基本的には65歳以降、生涯受け取ることが可能です。今回は、厚生労働省の「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考にしていきます。公的年金は、自営業者や専業主婦(夫)などが加入する国民年金と、会社員などが加入する厚生年金の2種類があります。
 
65歳の人が受け取る国民年金の平均年金月額は5万8078円、厚生年金(第1号)は14万5372円です。なお、厚生年金は現役時代の年収や加入期間による個人差が大きいため、参考程度と捉えておきましょう。
 

まとめ

今回は60歳代の平均的な就業率、貯蓄、年金を見てきました。自身と比較して、今後の生活に役立てるのは大切ですが、生活の仕方や考え方は人それぞれです。あくまでも世間の平均として認識するとともに、自身が老後にどういった生活をしたいか、そのためになにをすべきかを考えていきましょう。
 

出典

内閣府 令和5年版高齢社会白書(全体版)

金融広報中央委員会 (参考)家計の金融行動に関する世論調査[総世帯]令和4年調査結果

厚生労働省 令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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