更新日: 2023.10.17 定年・退職

退職金の定期預金なら1%の利息がつくと聞きました。10年でどれくらいの利息になるでしょうか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

退職金の定期預金なら1%の利息がつくと聞きました。10年でどれくらいの利息になるでしょうか?
退職金の受けとりを予定している人は、退職金の定期預金を利用してみるのも、ひとつの選択肢です。通常の定期預金よりも高い金利がつくので、そのままねかせておくよりも総資産を増やすことができます。
 
ここでは、退職金の定期預金が金利1%の場合、10年後の利息がいくらになるかを解説します。あわせて注意したいポイントを紹介するので、退職金の定期預金を検討しているなら確認してください。
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通常の定期預金よりも退職金の定期預金をおすすめする理由

退職金の定期預金とは、退職金を預ける元本保証型の金融商品であり、通常の定期預金よりも高い優遇金利が適用されます。
 
一般社団法人投資信託協会が2375名を対象に実施した「60歳代以上の投資信託等に関するアンケート調査」によると、退職金の使い道として預貯金が上位1位にランクインしました。回答した人は全体の59.3%にのぼり、過半数以上が退職金を預貯金に回していることが分かります。
 
ただ超低金利時代のため、通常の定期預金を利用しても、わずかな利息しか受け取れないのが現状です。1年ものの定期預金の金利は、高い銀行でさえ、100万円預け入れした場合に0.25~0.35%とかなり低くなっています。
 
一方で、退職金の定期預金は金融商品により金利は異なるものの、0.8~3.0%と高金利が適用されるものがあります。預け入れ期間は金融商品によって変わるので、事前に確認が必要です。
 
しかし退職金の定期預金の多くは、3ヶ月程度の預け入れ期間が設定されています。最低預け入れ金額も金融商品によって違いがあり、1円以上から対応しているものもあれば、300万円以上、1000万円以上など少額の預け入れができないものもあります。
 

退職金の定期預金の条件に注意が必要

上述したように、退職金の定期預金は預け入れ期間が3ヶ月程度に設定されているケースが多く、4ヶ月目以降からは定期預金と同じ金利がつくケースが少なくありません。つまり、3ヶ月間は金利が1.0%つくような高金利の金融商品でも、4ヶ月目以降は金利が0.002%のように下がるケースがあります。
 
この場合、3ヶ月間は金利が1.0%つくため、仮に1000万円を預けると「1000万円×1%×3/12カ月=2.5万円」が利息になる計算です。しかし、利息には20.315%の税金がかかるので、実際には1万9921円が利息となります。
 
10年預ける場合は、4ヶ月目以降に金利が0.002%となるので、9年9ヶ月間の利息を計算すると「1000万円×0.002%×9年+1000万円×0.002%×9/12ヶ月=1800円+150円=1950円」です。そこから税金が引かれるので、1553円が利息となります。10年でつく利息は2万1474円で、10年後の総資産は約1002万1474円です。
 

退職金の定期預金は投資信託の購入がセットになっている場合も

金融商品によっては、退職金の定期預金に条件がついているものがあり、定期預金預け入れ額と同額の投資信託購入がすすめられる場合があります。
 
投資信託の購入手数料がかかる場合、退職金の定期預金でついた利息以上の金額がかかるケースも珍しくありません。投資信託の運用で利益を出せれば問題ないですが、投資元本を割るリスクがあります。
 
預ける前よりも資産が減ってしまう事態におちいらないためにも、よく分からないまま契約するのはさけ、計画的に運用してください。
 

退職金の定期預金は預け入れ期間に注意

退職金の定期預金を利用する場合は、預け入れ期間を確認して、何ヶ月間金利が高い状態が続くのかを確認しましょう。預け入れ期間が3ヶ月なら、4ヶ月目以降、いくらまで、金利が下がるのかを確かめておかないと、受けとり時に想定していた総資産に届かない可能性が出てきます。
 
よく分からないまま活用するのはさけ、退職金はライフプランを立てたうえで計画的に運用することが大切です。
 

出典

一般社団法人投資信託協会 60歳代以上の投資信託等に関するアンケート調査報告書-2021年(令和3年)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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