更新日: 2023.10.20 セカンドライフ

1人暮らしなら年金「月14万円」で足りますか? 老後はぜいたくしなければ大丈夫でしょうか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

1人暮らしなら年金「月14万円」で足りますか? 老後はぜいたくしなければ大丈夫でしょうか?
年金を受け取る前に、将来の自身の年金額を想定し、老後の生活をイメージしておくことは非常に重要です。生活水準はそこまで高くはないとしても、年金だけで生活できるなら、それに越したことはないでしょう。
 
今回は、年金を月14万円受け取れると想定した場合、1人暮らしでぜいたくをしなければ生活ができるのかを考えます。また、老後の生活を少しでも楽にするための方法も紹介していきます。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

65歳以上の1人暮らしの人の平均支出額

総務省統計局が行っている「家計調査」では、65歳以上の1人暮らし世帯の平均消費支出額が確認できます。2023年4~6月期の結果をみると、65歳以上の単身世帯における1ヶ月あたりの平均消費支出額は、約13万6000円です。
 
この金額には、約1万円の住居費が含まれています。毎月の住居費がこれほど安い理由は、持ち家に住んでいる人が多いためです。この年代の単身世帯では持ち家率が80%を超えているので、ほとんどの人が毎月の家賃などを支払っていないと考えられるでしょう。
 
仮に、年金を受け取りながら賃貸住宅で生活をする予定であれば、13万円ほどの消費支出に家賃を加えた金額が、毎月必要になります。1人暮らしにそこまで大きな住宅は必要ないとはいえ、1ヶ月あたり20万円近くの出費は覚悟しておかなければいけません。
 

1人暮らしでも年金だけでは厳しい

生活にかかる費用は、人それぞれです。家計調査をみると、60歳以降は毎月の平均消費支出額が減る傾向も確認できます。
 
しかし、平均的な水準の生活を送ると想定すると、月14万円の年金のみでは赤字の月が多くなってしまうと考えられるでしょう。ぜいたくをしなかったとしても、赤字となる可能性は十分にあります。年金を受け取る年齢になった際に貯蓄がなければ、かなり厳しい生活になってしまう事態も否定はできません。
 

老後の生活を少しでも楽にするためには

14万円の年金だけで老後の生活を送るのは簡単ではないと考えられるため、早めに何かしらの対策をとっておいたほうがよいでしょう。ここでは、老後の生活を少しでも楽にするための手段となりうる方法を紹介します。
 

・年金の受給年齢を引き下げる

年金を受け取れる年齢になった際に、まだ貯蓄や収入に余裕があれば、年金の受給年齢を引き下げるという選択肢もあります。年金受給年齢を引き下げると、1ヶ月あたりに受け取れる年金額が増えるので、貯蓄が少なくなったり働くのが難しくなったりした際にも、少しは安心感が強まるでしょう。
 

・定年後も働く

働く意欲や体力が続けば、定年後も働くといった選択肢もあります。労働収入のみで生活ができそうであれば、最終的に仕事を辞めるまで年金の受け取りを控えられるでしょう。貯蓄もそのまま維持できるので、70歳や75歳以降の生活を比較的楽に送れる可能性が高まります。
 

・早めに資産運用を始める

国は、将来に備えて資産運用を推奨しています。老後の生活のために、早めに資産運用を始めるのも一つの選択肢です。制度としても、iDeCoやNISAなどを用意し、投資可能額を増やすなど随時制度を改定しています。
 
これらは、より国民にとってメリットの大きい制度へと変わっているといえるでしょう。投資は、始めるタイミングが早いほどに資産を積み上げられる可能性が高くなります。預貯金へ回している収入の一部を投資に回し、中長期的な視点での資産運用を始めてみましょう。
 

14万円の年金のみで老後の生活を送るのは厳しいため工夫や行動が必要

統計を参考にすると、65歳以上の一人暮らしでも、賃貸住宅に住んでいる場合には毎月20万円近くの支出になると想定されます。年金が月に14万円しか受け取れないのであれば、年金のみでの生活は厳しいものとなるでしょう。貯蓄がなければなおさらです。
 
老後の生活を少しでも楽にするには、年金の受給年齢の引き下げや定年後も働くなど、何かしらの工夫や行動が欠かせません。資産運用にも、早いうちから取り組みましょう。
 

出典

総務省統計局 家計調査 単身世帯 2023年4~6月期
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

ライターさん募集