更新日: 2023.11.13 セカンドライフ
40歳のおひとりさま女性、老後対策どうしたらいい?
しかし、老後を一人で迎えるにあたって、早いうちから老後資金を用意する方法を検討しておくことが重要です。いざ老後を迎えたときに生活費が足りないと気づいても、そのときにできる対処法は限られます。
本記事では、独身世帯の金融資産の平均保有額をはじめ、40歳独身女性が老後資金を貯める方法などを解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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独身世帯の金融資産の平均保有額はどのくらい?
金融広報中央委員会 「家計の金融行動に関する世論調査 [単身世帯調査] (平成19年以降)」 によると、40歳代独身世帯 (単身世帯) の金融資産平均保有額は657万円、中央値53万円です。
保有額の割り合いをみると、図表1のように、金融資産非保有の人が35.8%ともっとも高く、次に100万円未満の人が14.8%という結果になっています。しかし、7.7%は1000〜1500万円未満、5.9%が3000万円以上となっているなど、40歳でも保有額に大きな違いがあることがわかります。
【図表1】
金融資産保有額 | 割り合い |
---|---|
金融資産非保有 (全体) | 35.8% |
100万円未満 | 14.8% |
100~200万円未満 | 5.9% |
200~300万円未満 | 4.9% |
300~400万円未満 | 6.2% |
400~500万円未満 | 2.8% |
500~700万円未満 | 2.8% |
700~1000万円未満 | 3.1% |
1000~1500万円未満 | 7.7% |
1500~2000万円未満 | 2.5% |
2000~3000万円未満 | 4.0% |
3000万円以上 | 5.9% |
無回答 | 3.7% |
(金融広報中央委員会 「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](平成19年以降)」より筆者作成)
老後の独身女性の平均月額生活費は?
老後の独身女性の平均月額生活費について、総務省統計局 「家計調査 家計収支編 2人以上の世帯 年報 年次 2022年」 では図表2のように伝えています。
【図表2】
60歳以上の単身女性世帯 | 65歳以上の単身女性世帯 | |
---|---|---|
消費支出 | 15万1673円 | 14万8971円 |
食料 | 3万7610円 | 3万7542円 |
住居 | 1万4163円 | 1万3141円 |
光熱・水道 | 1万5055円 | 1万5143円 |
家具・家事用品 | 7149円 | 7119円 |
被服および履物 | 4501円 | 4388円 |
保険医療 | 8585円 | 8447円 |
交通・通信 | 1万4578円 | 1万3423円 |
教養娯楽 | 1万5336円 | 1万5041円 |
その他消費支出 | 3万4696円 | 3万4727円 |
(総務省統計局 「家計調査 家計収支編 2人以上の世帯 年報 年次 2022年」 より筆者作成)
40歳独身女性が老後資金を貯める方法とは?
40歳独身女性が老後生活を迎えるまで、20年程度はあるため早いうちから資金を貯めておくとよいでしょう。老後資金を効率よく貯める方法は以下のとおりです。
・そもそもの年金受給額を増やす
・個人年金保険を活用する
・年金を受けとる際は繰下げ受給を選ぶ
それぞれの方法について解説します。
そもそもの年金受給額を増やす
老後生活の大きな収入源となる年金受給額を増やすことができれば、その分だけ余裕ができます。
例えば、60歳を過ぎても厚生年金に加入すれば、老齢基礎年金と合わせて受けとることができる老齢厚生年金を増やせます。老齢厚生年金は、厚生年金保険料を払い続けることで受給額を増やせる仕組みだからです。
また、第1号被保険者、または任意加入被保険者が定額保険料に月額400円の付加保険料を加算して納付すれば、付加年金 (200円×付加保険料納付月数) を受けとれます。
そのほかにも、年金の納付済期間が40年に満たないなど、老齢基礎年金の満額受給ができない場合は、60歳以降に国民年金へ任意加入して年金を納付すれば、老齢基礎年金の受給額を増やせます。
個人年金保険を活用する
生命保険会社などが取り扱っている個人年金保険を活用してみるのも、老後資金を貯めるための方法の1つです。60歳や65歳までの一定年齢まで保険料を積み立てて、契約時に決めた時期から積立金をもとにした年金、または一時金を受けとれます。
「確定年金」 「有期年金」 「終身年金」 の3種類あり、年金の受け取り期間や、死亡した際に遺族が受けとれるか、または受けとれないかといった点に違いがあります。
年金を受けとるときに繰下げ受給を選ぶ
通常、65歳から受けとりが可能な年金ですが、繰下げ受給によって66歳以降75歳までの間に遅らせて受けとれば、年金受給額を増額できます。年金の受け取り開始時期を1ヶ月遅らせた場合の増減率は0.7%です。70歳0ヶ月まで繰り下げれば42.0%、最大の75歳まで繰り下げれば84.0%の増額率が適用します。
また、老齢基礎年金と老齢厚生年金の両方の受給権がある場合は、どちらか一方のみ繰り下げるという選択も可能です。
安心した老後生活を過ごすためには早いうちからの対策が重要
おひとりさま生活を楽しみながらも、老後生活で困らないためには、早いうちから資金を増やすための対策を検討しておきましょう。早ければ早いほど資金を貯める期間は長くなりますから、安心できる老後生活を迎えられる可能性が高いです。
老後生活にどのくらいのお金がかかるのかを把握したうえで、定年退職後も働く、または個人年金制度の利用や、繰下げ受給などの方法を検討してみてください。
出典
総務省 統計局 「家計調査 家計収支編 2人以上の世帯 年報 年次 2022年
日本年金機構 任意加入制度
日本年金機構 年金の繰下げ受給
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー