更新日: 2023.11.21 セカンドライフ

夫婦2人、あわせて「月20万円」の年金を受け取る予定です。夫はアルバイトで「月10万円」を稼いでくれますが、老後生活は問題ないでしょうか? 妻の私も働くべきですか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

夫婦2人、あわせて「月20万円」の年金を受け取る予定です。夫はアルバイトで「月10万円」を稼いでくれますが、老後生活は問題ないでしょうか? 妻の私も働くべきですか?
60代に入ると本格的に老後の生活を意識するようになり、収支計画を立てるなかで「このままの生活を続けて大丈夫なのか」「いつか経済的に破綻するおそれはないのか」などと不安になる人も多いのではないでしょうか。定年退職や再雇用などで収入が下がるケースも少なくないため、老後不安に拍車をかけるのかもしれません。
 
本記事では、夫婦合計で毎月20万円の年金と夫のアルバイト代10万円、合わせて30万円の収入がある場合に問題なく生活していけるのかを解説します。
 
今回は話を分かりやすくするため、預貯金100万円と夫婦合わせて20万円の年金とアルバイト10万円以外で収入はないものとします。
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65歳以降、夫婦2人暮らしに必要な生活費はいくら?

年金と夫のアルバイト収入を合計した30万円で生活できるかどうかを判断するためには、65歳以降に夫婦2人暮らしをする場合に、どのくらい生活費がかかる可能性があるのか把握する必要があります。
 
総務省統計局の2022年家計調査報告(家計収支編)によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の消費支出は23万6696円、非消費支出は3万1812円で合計26万8508円かかります。
 
実際には夫がアルバイトをして月10万円稼ぐ予定のため、2人とも完全に無職となるわけではありませんが、最低でも30万円近くの支出が毎月発生する可能性があることが分かります。
 

預貯金と毎月の収入で生活を維持できる?

仮に毎月27万円の支出が発生する場合、収入は30万円のため3万円の黒字です。夫が65歳から70歳までアルバイトで働いた場合は5年間で180万円貯められる計算となり、元々ある預貯金と合わせて280万円の資産を構築することができます。
 
これだけ見ると「家計は黒字になっているから問題ない」と思われる人も多いかもしれませんが、長期目線で考えると決して安心できる状態ではありません。なぜなら以下のようなリスクが考えられるからです。

・本人に強い意欲はあっても特に70歳以降は働くことが難しくなるかもしれない
・年金以外の収入がなくなると「赤字家計」となり経済的に困窮するリスクが高くなる
・本人や家族の病気やけがなど、不測の事態が重なると資産が大きく減るおそれがある
・物価上昇で資産が目減りする可能性がある

月30万円の収入があると家計は黒字となる計算ですが、これはあくまで夫が働けることを前提にした場合です。本人が「生涯現役で頑張っていきたい」と考えていても体力的に厳しくなる可能性もあり、非正規雇用では契約が更新されないということもあり得ます。
 
もちろんできる限り長く働いて収入を得ることは重要ですが、いつまでも働けるとは限らない点に注意する必要があります。
 

夫婦共働きで年金に頼らないことが重要

今回の事例では、夫婦合わせて月20万円の年金収入だけでは7万円以上の赤字となる可能性があり、預貯金も100万円しかないため約1年で資金が底をつくおそれがあります。夫がアルバイトで月10万円稼ぐだけでなく妻もできる限り働くなど、夫婦で協力して「年金に依存しない仕組みづくり」を行うことが重要です。
 
例えば、妻もアルバイトをして月5万円稼ぐと年間で60万円収入が増え、万一夫が想定よりもはやく退職しても、家計の赤字額を減らせるメリットがあります。
 

まとめ

本記事では、同世代夫婦2人の老後は、毎月20万円の年金と夫のアルバイト代10万円、合わせて30万円の収入で問題なく生活していけるのかを解説しました。
 
実際には税金や社会保険料を支払う必要があるため、30万円全額を自由に使えるわけではありません。税負担が増える一方で物価上昇による実質賃金の減少は今後も続く可能性があります。
 
「毎月の家計は黒字だから問題ない」と油断せず、不測の事態に備えて年金以外の収入源を構築することも検討してみましょう。
 

出典

総務省統計局 家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)平均結果の概要
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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