更新日: 2023.11.23 定年・退職
定年後の継続雇用で「80%」は給与が減る!?「仕事内容」や「勤務時間」が変わる人はどのくらい?
本記事では、リクルートが2023年の3月にインターネットにて55~74歳の男女に対して行った、「シニア層の就業実態・意識調査 2023(個人編)」を参考に、定年前後で同じ会社で働いた場合の仕事内容や勤務時間の変化、給料の差などについて解説しています。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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集計上の調査対象
同調査の主な集計対象は60~74歳で、55~59歳の回答結果は全体値のみの掲載です。
また、この調査では現在働いておらず、今後も働くつもりがない人は調査の対象外としています。
定年前後で仕事内容や勤務時間が変わる人は半数程度
定年前後で同じ会社で働いている人に、仕事の内容に変化があったかと聞いたところ、変化の度合いと回答した人の割合は次のとおりです。
・全く別の仕事内容になった:8.6%
・半分以上の仕事内容に変化があった:10.7%
・仕事内容にあまり変化はなかった:28.3%
・仕事内容に全く変化はなかった:52.4%
52.4%の人が「全く変化はなかった」と回答していますが、「あまり変化はなかった」も多少は変化があったと捉えると、仕事内容に変化があるかどうかは半々といえるようです。
続いて、定年前後で同じ会社で働いている人に、勤務時間がどれくらい変化したかを聞いた結果を見ていきましょう。定年前の勤務時間を100とした時の定年後の勤務時間の割合について、回答した人の割合は次のとおりです。
・25%未満:4.6%
・25~50%未満:5.5%
・50~75%未満:21.1%
・75~100%未満:18.1%
・100%以上:50.7%
勤務時間については、おおよそ半数程度の人が以前よりも短くなったようです。
定年前後で給料は8割以上の人が減っている
定年前後で同じ会社で働いている人に、給与の変化について聞いたところ、定年前の給与を100とした時の定年後の給与の割合について、回答した人の割合は次のとおりです。
・25%未満:5.0%
・25~50%未満:21.4%
・50~75%未満:43.3%
・75~100%未満:16.3%
・100%以上:14.1%
給与については、8割以上の人が以前よりも少なくなっています。仕事内容や勤務時間は半数程度の人はそのままでしたが、給与が下がらなかったという人は14%にすぎないようです。
定年前後で同じ会社に勤める理由
定年前後で同じ会社に勤めると、仕事内容や勤務時間は減る場合が半分、同じもしくは増える場合が残りの半分くらいです。一方、給料については同じかそれ以上を維持できている人は1割ちょっとに過ぎません。それにもかかわらず、同じ会社で働いているのにはどんな理由があるのでしょう。
同調査では定年前後で同じ会社で働く理由についても調査しており、「職場や勤務地など環境を変えたくないから」「今まで培ったスキルやノウハウをそのまま生かせるから」といった回答が上位に来ています。
ちなみに、一般的には定年後くらいの年齢になると給与はそれ以前よりも下がります。国税庁の「令和4年分民間給与実態統計調査」によると、年齢階層別の平均給与(年間)において、多くの会社で定年直前となる55~59歳は他の年齢層と比べ最も金額が高く、546万円です。その後は年齢を重ねるごとに下がり、60~64歳では441万円、65~69歳では342万円、70歳以上では298万円です。
定年前後で同じ会社に勤める理由については、仮にどこで働いたとしても給与が下がるのであれば、慣れた環境でそのまま働いた方がストレスは少なく働けると考える人が多いのかもしれません。
まとめ
同じ会社で継続雇用される場合、定年前後で仕事内容や勤務時間が変わる人は半数程度ですが、給与は8割以上の人が少なくなっています。
とはいえ、今までと違う会社で働くと一から仕事を覚えなければならない可能性が高く、苦労も多いかもしれません。そのため、給与が下がってでも同じ会社で勤めた方が、ストレスも少なく働けて良いと考える人も多くいるのでしょう。
同じ会社で継続雇用を予定している場合、事前にメリット・デメリットを十分検討しておきましょう。
出典
株式会社リクルート ジョブズリサーチセンター 【基本報告書】シニア層の就業実態・意識調査 2023―個人編60~74歳―
国税庁 令和4年分民間給与実態統計調査-調査結果報告-
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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