更新日: 2023.11.26 セカンドライフ

終活の「本当の意味」とは? 始める前に一度考えてみよう!

執筆者 : 秋口千佳

終活の「本当の意味」とは? 始める前に一度考えてみよう!
親の病気や介護に直面して、自分自身の終活についても考え始める人がいると思います。そのように考えたときに、「何から手をつけるべきなのか」と悩み、先に進めない人を見かけます。
 
そこで、終活を始めようと思ったときに考えてほしい「終活の意味」について、お伝えします。
秋口千佳

執筆者:秋口千佳(あきぐちちか)

CFP@・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員2種・相続診断士

終活は何歳から始めるべきなのか

アラフィフ世代になると、親の病気や介護に直面したり、友人から親の介護の大変さを知らされたりと、終活について考えさせられる機会が多くなります。
 
そのときに、自分自身の終活を初めて考える人もいるかと思いますが、そうではない人も多いように感じます。年齢に関係なく、自分自身の体の衰えや病気に直面したときにも頭をよぎるのが、終活です。
 
つまり、終活を始めるべき年齢は、決まっていません。終活を始めよう、と強い意志がなくても、ぼんやり老後のことを考え、将来、自分に万一のことがあったときのことを考えたときであれば、何歳であっても終活を始めて良いのです。
 

終活とはどういったことをすることが正しいのか

最近は「終活」という言葉は、当たり前のように使われています。そのため、何をすることが正しいのか、と考える人もいることでしょう。具体的には、以下のようなことになります。

・亡くなるまでに叶えたい夢を書き出してみる
・亡くなったときに連絡してほしい親族や友人の一覧表を作る
・家にあるもので使わないものを捨てる
・財産の一覧表を作る(これといっしょに老後資金が足りるかの確認もする)
・終末期医療や介護といったことについて、どうして欲しいか書いておく
・相続について、どうして欲しいか書いておく

 

終活で行うべきことで順番はあるのか

筆者は、終活について考え始めた人に、「何から手をつけたら良いのでしょう」と聞かれることがあります。そのときは、「気になっていることから始めましょう」と伝えます。
 
例えば「老後のお金のことが心配で」という人には、「財産一覧表とキャッシュフロー表を作りましょう」と提案します。また、「ひとり身なので、自分が倒れたときが不安で」という人には、「終末期医療や介護のこと、死後の手続き等のことについて、いっしょに考えましょう」と提案します。
 
つまり、今の不安を解消するために、終活を始めると言っても過言ではありません。そのため、決まった順番などはありません。
 

終活は今からの生活を楽しむために始めるべきもの

終活は、人生の最期に向けての準備という言い方をする人もいますが、「本当の意味の終活」とは、将来の不安をなくして今からの生活を楽しむための準備だと考えています。そのため、何歳から始めるとか何から始めるといったことは、関係ありません。「不安をなくすための準備=終活」です。
 
年齢が進むにつれ、不安の中身は異なってきます。20歳代であれ30歳代であれ、自分自身の最期のことを考えて介護のことや終末期医療のことをまとめれば、終活です。40歳代で老後のお金のことが不安で、その不安を解消するために財産の一覧表やキャッシュフロー表を作るのであれば、これも終活です。
 
「何から始めればいいのか」と思っている人は、「終活」とかしこまってとらえずに、まずは自分が不安に感じていることは何か考えるところから始めてみてください。「終活を始めるぞ」ではなく、「不安を解消するぞ」、これこそが終活なのです。
 
執筆者:秋口千佳
CFP@・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員2種・相続診断士

ライターさん募集