更新日: 2023.11.29 セカンドライフ

現在、家賃込みで月20万円の生活です。ずっと1人暮らしなら老後の生活費はどのくらいを想定したらいいでしょうか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

現在、家賃込みで月20万円の生活です。ずっと1人暮らしなら老後の生活費はどのくらいを想定したらいいでしょうか?
老後に向けて資金計画を検討するとき、どれくらい生活費がかかるのか予想しなければなりません。不明なままだと収支もイメージできず、現実的な見通しを立てられないからです。金額の目安を知りたいなら、統計データや現時点の支出を参考にするとよいでしょう。
 
そこで本記事では、家賃込み月20万円で1人暮らしをしている人について、老後の生活費の目安や想定の仕方を紹介します。
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65歳以上単身世帯の消費支出をチェック

老後も1人暮らしを続ける予定なら、生活費を想定する材料として、65歳以上単身世帯の統計データが参考になります。
 
総務省は令和4年の「家計調査報告」で、65歳以上の単身無職世帯の消費支出は14万3139円、 最も大きな割合を占めているのは3万7485円の食費です。 2番目は1万4704円の水道光熱費で、その後に1万4625円の交通・通信の費用が続いています。老後の生活費を検討するうえで、上記のトータル金額を大まかな目安にすることも可能です。
 
ただし、この統計データは持ち家の世帯も対象としています。そのため住居費が1万2746円と低く算出されており、1人暮らしの場合は実情に合わない可能性が高いです。なお、同資料には1人暮らしの持ち家率は載っていませんが、二人以上の無職世帯に関しては92.5%と記載されています。
 

現時点の生活費と単身世帯の消費支出を比較

想定の精度を高めたい場合は、現時点の生活費と統計データを比較するという方法があります。しかし、まだ現役世代の人は、65歳以上単身世帯と比べても意味がありません。
 
上記資料には、65歳以上に限定していない単身世帯の消費支出も載っています。そちらと比較して、まず自分の生活費がどれだけ平均と異なるのか把握しましょう。消費支出の1ヶ月あたりの平均月額は16万1753円で、そのうち住居費は2万3322円を占めています。この住居費も、持ち家の世帯を含めて計算したものです。
 
現時点の生活費が家賃込み月20万円なら、消費支出の平均月額との差額は3万8247円です。自分の食費や水道光熱費などが統計データと同じと仮定した場合、差額の原因は家賃にあると解釈できます。言い換えると、賃貸暮らしだと生活費が平均より3万8247円高くなるとみなせます。
 
前述の65歳以上単身世帯の消費支出14万3139円に、この金額を足すと18万1386円です。ずっと現状の1人暮らしを続けるなら、加算後のほうが老後の生活費の目安に適しているでしょう。
 

年金との収支も計算して対策を検討

老後の生活費を想定した後は、どれだけ年金でまかなえるのか考えましょう。
 
令和5年度の国民年金の受給額は最大でも6万6250円です。それを受け取ると仮定した場合、生活費の想定額が上記の18万1386円なら、毎月11万5136円も不足してしまいます。したがって、これだけの赤字の補てんが可能な対策を講じなければなりません。
 
例えば、マイナスの幅が大きいため、定年後の再雇用で収入源を確保し続けることも一つの手です。NISAなどの投資による資産形成や、年金の繰下げ受給という制度の利用も対策になります。また、厚生年金保険の加入者でも赤字になる見込みなら、副業で貯蓄を増やしておくなど、足りない分を補う工夫が不可欠です。
 

生活費の見通しを立てて明るい老後を目指そう!

いざ老後を迎えたときに、収支がマイナスになると気付いても、すぐには補てんできないかもしれません。賃貸暮らしの場合、支出が膨らみやすく、家賃を払えないと退去を要求される場合もあります。
 
このようなリスクを軽減したい人は、まず老後の生活費の目安を知ることが重要です。統計データをもとに金額を想定したら、セカンドライフを豊かにする取り組みの検討に役立てましょう。
 

出典

総務省統計局 家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)平均結果の概要
日本年金機構 令和5年4月分からの年金額等について
厚生労働省 高年齢者雇用安定法 改正の概要
日本年金機構 年金の繰下げ受給
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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