更新日: 2023.12.04 その他老後
現在、孫がいない50代です。もし今後、孫ができたら費用はいくら用意したらよい?
ソニー生命保険株式会社「シニアの生活意識調査2023」では、孫のために年間5~10万円使う人が多いという結果が出ています。本調査の結果をもとに、孫ができたらいくら費用を用意するべきか、孫のためにお金を使うときの注意点は何かを見てみましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
孫にかけるお金は1年間に平均10万円超
ソニー生命保険株式会社が2023年7月に実施した「シニアの生活意識調査2023」の結果によると、1年間で孫に使った金額は図表1のような分布となっています。
【図表1】
金額 | 1万円未満 | 1~2万円未満 | 2~3万円未満 | 3~5万円未満 | 5~10万円未満 | 10~20万円未満 | 20~30万円未満 | 30~40万円未満 | 40~50万円未満 | 50万円以上 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
割合 | 8.5% | 9.2% | 12.3% | 18.0% | 27.5% | 14.1% | 4.2% | 1.8% | 1.8% | 2.9% |
ソニー生命保険株式会社「シニアの生活意識調査2023」結果より筆者作成
最も割合が高いのは5~10万円未満の金額帯です。次に、3~5万円未満が続いています。
また、最近1年間に孫に使ったお金の平均額は10万8134円でした。仮に60歳で孫が生まれ、以降ずっと平均額を孫に使い続けるとすると、30年間では320万円以上、40年間では430万円以上の費用を用意しなければならない計算です。
孫のための支出はおこづかいやお祝い金が多い
孫に使うお金の内容には、どのようなものがあるのでしょうか。「シニアの生活意識調査2023」の結果では、おこづかいやお年玉、お祝い金が最も多く、一緒に外食、衣類などファッション用品が続いています。そのほかの結果は、図表2のとおりです。
【図表2】
支出の内容 | 割合 |
---|---|
おこづかい・お年玉・お祝い金 | 66.2% |
一緒に外食 | 49.7% |
衣類などファッション用品 | 33.4% |
おもちゃ・ゲーム | 32.8% |
本・絵本 | 23.9% |
一緒に旅行・レジャー | 22.6% |
七五三・成人などのお祝い品 | 16.9% |
ランドセル・靴・文房具など学用品 | 15.6% |
自転車・三輪車 | 11.1% |
こいのぼり・ひな人形などの節句のお祝い品 | 10.2% |
スパイク・シューズなどの運動用品 | 10.2% |
ソニー生命保険株式会社「シニアの生活意識調査2023」結果より筆者作成
節目ごとに大きなお金が出ていく可能性も……
「シニアの生活意識調査2023」の結果から分かるように、祖父母が孫のために支出する目的は多岐にわたります。
日常的に発生するおこづかいや外食の費用なども、積もれば大きな支出になります。また、初節句や進学、七五三や成人などの節目には、祖父母から大きな金額のお祝い金を渡したり、高価な贈り物をねだられたりするケースが珍しくないことも意識しておく必要があるでしょう。
大きなお祝い事がない年の支出は10万円で収まっても、孫の人生の節目がくるごとに、大きなお金が出ていく可能性があるのです。
その上、教育費の援助や旅行の費用など、子どもの世帯に求められるままに出していると、自分自身の生活も圧迫し、最悪の場合は老後破産の原因にもなりかねません。孫のための援助は、現金で金額を決めて行うなど、出費を抑えて自身の家計を守る工夫も必要です。
孫にかけるお金は自分自身の老後プランを優先して「余裕のある分だけ」が正解
孫のために祖父母が使うお金は、1年間に10万円以上という家庭も少なくありません。また、初節句や進学、成人といった節目には、贈り物やお祝い金で、通常よりも大きな支出になる可能性もあり、トータルでは数百万円の用意が必要になるケースもあります。
ただし、いくらかわいい孫のために何かしてあげたくても、自身の家計を圧迫したり、老後資金が足りなくなったりすることは避けるべきです。求められた額を全て出すのではなく、老後の資金計画のなかで、余裕のある分だけを孫のための資金として使うことを意識しましょう。
出典
ソニー生命保険株式会社 シニアの生活意識調査2023
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー