更新日: 2023.12.13 定年・退職

定年後は東京に移住予定です。「公営住宅」ならサポートが多いって本当ですか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

定年後は東京に移住予定です。「公営住宅」ならサポートが多いって本当ですか?
定年を機に生活スタイルや住む場所を変える方もいらっしゃるでしょう。現在住んでいる場所から引っ越し、郊外や都会に移り住むケースもあります。
 
定年後、東京に引っ越す場合に、チェックしておきたいのはJKK東京が提供しているシニア世代向けの住み替えサポート制度です。制度を利用すれば、東京都の公社住宅に格安で住める場合もあります。
 
今回はJKK東京が提供する制度の内容や、利用条件などについてご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

JKK東京とは?

JKK東京都は、東京都が100%出資し運営されている賃貸住宅専門の住宅供給公社です。
 
JKK東京が取り扱っている住宅を「公社住宅」といい、礼金や仲介手数料・更新料などは必要ありません。学生向けやシニア向け、ファミリー向けなど幅広い賃貸住宅を取り扱っています。世代ごとにさまざまな制度も展開していることが特徴です。
 

JKK東京のシニア住みかえサポートとは?

JKK東京が60歳以上のシニア世代向けに展開している制度が、シニア住みかえサポートです。子どもが住んでいる家の近くへ引っ越したい、今の家は夫婦には大きすぎるなどの理由で引っ越したい高齢者をサポートしてくれます。
 

制度の内容

シニア住みかえサポートは大きく分けて5つのサポートから成り立っており、種類は表1の通りです。
 
表1
 

サポート 内容
近居であんしん登録制度 家族や親族の近くへ引っ越したい場合、優先的に部屋を紹介してもらえる
JKK住宅の確保期間優遇 持ち家を売却してJKK住宅への住みかえを検討している方が申し込むと、手続き期間が2週間延長される
高齢者等優先申込制度 優先制度の対象となる住宅の公募が開始される際、開始から1週間は優先的に申し込みできる
月収基準の特例 本人が月収基準を満たせないときに、親族の収入で審査を受けられる
また、貯蓄額を使用することも可能
長期居住高齢者向け住みかえ制度 JKK東京の同じ部屋を25年以上利用している70歳以上の方が引っ越す際に優先的に部屋を紹介してもらえる

 
※JKK東京「シニア住みかえサポート」をもとに筆者が作成(2023年12月時点)
 
基本的に60歳以上であれば利用できますが、長期居住高齢者向け住みかえ制度のみ70歳以上に年齢制限が変わっているため、注意しましょう。詳細はJKK東京までお問い合わせください。
 

利用できる条件

制度によって利用条件は異なります。年齢以外にも必要な条件があるため、必ず確認しておきましょう。高齢者が利用する場合の各制度の主な利用条件は表2の通りです。
 
表2
 

サポート 内容
近居であんしん登録制度 ・住みたい住宅と同じ市、または半径約5km以内の範囲内に3親等内の親族が住んでいる(JKK東京の住宅でなくてもよい)
・60歳以上の方がいる世帯
JKK住宅の確保期間優遇 ・60歳以上の世帯
・詳細は要問い合わせ
高齢者等優先申込制度 ・エレベーター未設置住宅のうち、入居希望が多い1階および2階の部屋が対象
・60歳以上の方がいる世帯
月収基準の特例 ・自分が住むための住居である
・ひとり暮らしなら区部の住宅であれば3DK以下、市部の住宅であれば3LDK以下の間取りに申し込める
・日本国内に住んでいる成年者
・保証会社もしくは連帯保証人を用意できる
・公社が定める基準以上の収入・貯蓄がある
長期居住高齢者向け住みかえ制度 ・JKK東京の同じ部屋に25年以上住んでいる
・70歳以上
・家賃の滞納がない

 
※参考サイトをもとに筆者が作成(2023年12月時点)
 
必要に応じて、どの制度を活用するのか決めておきましょう。分からない場合は、JKK東京に相談してみることもおすすめです。
 

東京都で家賃補助は受けられる?

江戸川区役所のホームページをもとに、東京都が所有する、あるいは東京都が運営する住宅の指定法人管理型都民住宅、東京都施行型都民住宅、都営住宅の概要を表3にまとめました。なお都民住宅とは、特定優良賃貸住宅制度を利用した、中堅所得者を対象とした家族向け賃貸住宅です。
 
表3
 

公社施行型・公社借上型都民住宅 指定法人管理型都民住宅 東京都施行型都民住宅 都営住宅
住宅の概要 JKK東京か民間の土地所有者などが所有していてJKK東京が管理する住宅 民間企業が管理、提供している都民住宅 東京都が所有していてJKK東京が管理する住宅 東京都が管理する低所得世帯向けの住宅

 
※江戸川区役所「都民住宅」「都営・区営住宅」をもとに筆者が作成(2023年12月時点)
 
都民住宅を利用する場合、所得によって家賃補助制度が利用できます。家族数や年間総所得に応じて補助額が決められており、補助を継続して受けるには毎年収入認定が必要です。また住宅の管理開始日から20年経過すると、収入に関係なく家賃補助がなくなります。
 
都営住宅の家賃は間取りと所得区分によって異なるため、注意が必要です。世帯人数などによって変動するので、自治体に確認しておきましょう。
 

JKK東京はシニア向けサポートが複数ある

JKK東京では、60歳、あるいは70歳以上のシニア向けサポートが充実しています。親族と近所に住みたいのかなど、希望によって利用できる制度も変わるので、チェックしておきましょう。家賃の支払いに不安がある場合は、家賃補助制度の利用も検討することがおすすめです。
 

出典

JKK東京
 近居であんしん登録制度

 シニア住みかえサポート

 高齢者等優先申込制度(シルバーウィーク)

 申込資格・必要書類

 長期居住高齢者向け住みかえ制度

東京都住宅政策本部
 都営住宅の入居者募集等 申込み方法、使用料(家賃)、申込みから入居まで

 都営住宅と都民住宅の違い

江戸川区役所
都民住宅

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

ライターさん募集