更新日: 2023.12.13 定年・退職
【定年が間近なら知りたい!】定年前の「自己都合退職」と「定年退職」退職金が多くもらえるのはどちら?
自己都合退職ならば失業給付の基本手当も受け取れる場合があり、定年退職ならば退職金を満額受け取れるため、自己都合退職と定年退職のどちらがよいかは、一概にはいえません。
今回は、自己都合退職と定年退職による退職金について、ご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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自己都合退職と定年退職の違い
自己都合退職とは、転職や早期退職など、働いている方の個人的な理由で会社を辞めることです。両親の介護や結婚などによる退職も、自己都合退職として扱われます。もしも会社で問題を起こして、懲戒処分を受けたことで退職するときも自己都合退職です。
一方で定年退職とは、定年制を採用している会社で働いている方が、設定された定年まで働いて退職する場合を指します。
自己都合退職と定年退職の退職金はどれくらい?
定年前に自己都合で退職するケースと、定年まで働いて退職するケースでは、受け取れる退職金に差があります。そこで、自己都合退職の場合と、定年退職の場合における退職金の平均額をまとめました。
自己都合退職の平均額
厚生労働省の「令和5年就労条件総合調査 結果の概況」によると、令和5年における自己都合退職の退職金平均額や退職時の月収、および賃金に対する退職金の月収換算は、表1のようになりました。
表1
大学・大学院卒 (管理・事務・技術職) |
高校卒 (管理・事務・技術職) |
高校卒 (現業職) |
|
---|---|---|---|
退職金平均額 | 1441万円 | 1280万円 | 921万円 |
退職金の月収換算 | 30.3ヶ月分 | 33.3ヶ月分 | 29.5ヶ月分 |
退職時の月収 | 47万6000円 | 38万4000円 | 31万2000円 |
※厚生労働省「令和5年就労条件総合調査の概況 結果の概要」を基に筆者作成
自己都合で退職すると、大学や大学院卒で平均1441万円が退職金として支給されています。月収換算にすると、約30ヶ月分です。高校卒の場合でも、約30ヶ月分が退職金として支給されていることが分かりました。なお、自己都合退職の場合、退職金に加えて失業給付も受け取れるケースがあります。
定年退職の平均額
定年退職をした場合の退職金平均額や退職時の月収、退職金の月収換算は表2の通りです。
表2
大学・大学院卒 (管理・事務・技術職) |
高校卒 (管理・事務・技術職) |
高校卒 (現業職) |
|
---|---|---|---|
退職金平均額 | 1896万円 | 1682万円 | 1183万円 |
退職金の月収換算 | 36.0ヶ月分 | 38.6ヶ月分 | 34.3ヶ月分 |
退職時の月収 | 52万6000円 | 43万5000円 | 34万5000円 |
※厚生労働省「令和5年就労条件総合調査の概況 結果の概要」を基に筆者作成
自己都合退職と比べると、定年退職をした場合のほうが、退職金は多いことが分かります。また月収換算で見ても、定年退職をしたほうが多くもらえるという結果でした。
しかし、もし65歳が定年だった場合では、退職金は満額をもらえますが、失業保険の基本手当は受け取れません。失業給付と合わせると、定年前退職のほうが多くもらえる可能性もあります。定年時の年齢や失業給付の受給条件は、確認しておきましょう。
退職の時期はあらかじめ決めておくことが重要
厚生労働省の調査によると、自己都合退職よりも定年退職をしたほうが、受け取れる退職金の金額は多い結果となりました。
しかし自己都合退職の場合、退職後に失業給付が受け取れるケースもあるため、金額は変動します。退職金は、定年後の生活における大事な資金となるため、早めに退職して失業給付とともに受け取るのか、定年退職で退職金を満額受け取るのかを、あらかじめ決めておくことが大切です。
出典
厚生労働省
令和5年就労条件総合調査の概況 結果の概要 4退職給付(一時金・年金)の支給実態 (2)退職事由別退職給付額 第22表 退職者1人平均退職給付額(勤続20年以上かつ45歳以上の退職者)(17ページ)
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