更新日: 2024.01.10 定年・退職

定年退職後は「年金だけ」で生活する予定ですが「住民税」はかかりますか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

定年退職後は「年金だけ」で生活する予定ですが「住民税」はかかりますか?
一定額以上の所得があれば、住民税を納める義務が生じます。所得には働いて得る給料だけでなく、年金も含まれるため、注意が必要です。また、住民税の金額は前年度の所得をもとに決められます。
 
今回は、定年退職後の住民税や、所得などについて解説します。

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住民税とは

住民税とは、自治体が行政サービスを行う際に必要な費用を自治体に住んでいる方が、税金の納付能力に応じて分担して納める税金です。
 
納める年の前年度分の所得をもとに金額が決定され、具体的な求め方は、所得を所得割にあたる10%の数値に均等割の5000円を足した金額です。例えば、課税対象の所得が200万円だと、住民税は20万5000円になります。
 

住民税は所得があれば納付が必要

住民税は、ある程度の所得がある場合に課せられる税金なので、必ずお住まいの地域へ納めましょう。なお納税者が得た所得の種類によっては、住民税の課税対象が異なります。
 

働いている場合は給与から天引きされる

住民税は、職場によっては給料から引いて納められます。会社勤めだと、会社側が給料を渡す段階で住民税も含めた税金と社会保険料分をあらかじめ引いてくれているため、基本的に自分で納める必要はありません。
 
個人事業主の方は、自分で納付する必要があるため、忘れないように注意が必要です。
 

年金受給者は年金から引かれる

定年退職をして年金を受給するようになると、年金から住民税が引かれます。
 
住民税の天引きは特別徴収とよばれ、年金を支払う側である日本年金機構などが行うため、自分で納付する必要はありません。年金を受け取りながら働いている場合でも、特別徴収であらかじめ住民税を納付してもらえます。
 
なお年金から住民税を決める基礎となる所得を求める際には、公的年金等控除を引いて計算します。65歳以上で収入が年金のみの場合、年金額ごとの所得金額の求め方は表1の通りです。
 
表1
 

公的年金などから得た収入の合計額 雑所得の求め方
110万円以下 0円
110万超~330万円未満 収入の合計額-110万円
330~410万円未満 収入の合計額×0.75-27万5000円
410~770万円未満 収入の合計額×0.85-68万5000円
770~1000万円未満 収入の合計額×0.95-145万5000円
1000万円以上 収入の合計額-195万5000円

 
※国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)No.1600公的年金等の課税関係をもとに筆者作成(2023年12月時点)
※公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額が1000万以下の場合
 
例えば、年金を合計200万円受け取っている方の所得は、90万円です。ここから社会保険料などの控除をしたあとに、住民税を求めます。
 

定年退職した翌年の住民税に注意!

住民税は、前年の所得から計算されます。そのため定年退職をした年の収入が多い場合、翌年の住民税を含めた税金負担が大きくなるケースもあるため、注意が必要です。
 
また退職の時期によっては、定年退職をした翌年の納付を自身で行うかどうかが異なります。1~5月の間に退職した場合は会社が代わりに納付してくれるため、自分で納付する必要はありません。6~12月に退職すると、納税通知書が自宅に届くため、自分で納付する必要があります。
 
ただし6~12月に退職した場合でも、希望すれば退職金や給与から納付してもらうことも可能です。退職金からの納付を希望する場合は、退職前に会社へ相談しておきましょう。
 

年金も所得になるため住民税は引かれる

住民税は所得のある人に対して発生する税金なので、収入が年金のみであったとしても課税対象になります。年金額ごとの所得金額をもとに、実際にいくらくらい引かれるのかをあらかじめ把握しておきましょう。
 

出典

総務省 地方税制度 個人住民税

国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)No.1600公的年金等の課税関係

金融広報中央委員会 知るぽると 豊かなセカンドライフへの架け橋~ご退職前後の手続き~ 税金の手続き

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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