更新日: 2023.12.15 定年・退職
定年後の年収が「300万円」になりそうです。貯金も「100万円」しかないのですが、定年後の生活は厳しいでしょうか? 収入は平均どのくらいなのですか?
しかし、そこで不安になるのが年収の低下です。再雇用や再就職で働き続けることはできますが、一度定年を迎えることで年収は下がってしまいます。それでは定年後の平均年収はいくらなのでしょうか? また、定年後の貯蓄額の平均も気になるところです。
そこで本記事では、60歳で定年した場合の定年後の平均年収や貯蓄額について解説していきます。年収が低くなった場合の補助制度についても紹介するので参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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年収300万円は60歳以降だと平均以下の年収
国税庁の調査によると、年齢階層別の平均年収は59歳まで上昇しますが、その後は徐々に下降していきます。55歳から59歳までの階層の平均年収は546万円ですが、60歳から64歳までの階層の平均年収は441万円です。年間105万円も平均で下がってしまうので、家計の見直しも必要になるかもしれません。
男性は55歳から59歳までの階層が最も平均年収が高く、702万円です。しかし、60歳から64歳までの階層では569万円まで下がってしまいます。この約20%の減少は、定年による年収の低下も関係していると考えられます。
また、女性の場合は55歳から59歳までの階層の平均年収が329万円、60歳から64歳までの階層は267万円です。こちらも約20%の減少となることから、性別は関係なく、平均年収は2割ほど下がってしまうようです。
このことから60歳で年収が300万円になってしまうと、男女平均年収よりも低くなることがわかります。
60代の平均貯蓄額は1800万円! 中央値は?
60代の平均貯蓄額は平均で1819万円です。平均の貯蓄額は年代が上がるごとに上がっていく傾向にあり、70代では1905万円という結果でした。
しかし、平均額では実態に合っていない場合もあるので、実態に合っているとされる中央値も確認します。60代の貯蓄額の中央値は700万円で、70代は800万円となっています。これを踏まえると、60歳で貯蓄額が100万円の場合は平均値や中央値と比べても低いといえそうです。
年収が下がった際に利用できる制度
再雇用で年収が下がってしまった場合は「高年齢雇用継続基本給付金」、再就職で年収が下がった場合は「高年齢再就職給付金」を受給できる可能性があります。高年齢雇用継続基本給付金は、60歳時点の賃金と60歳以降の賃金との差が75%未満になっていることが必要です。それ以外には以下の2つの要件を満たす必要があります
●60歳以上65歳未満の一般被保険者であること(雇用保険)
●被保険者であった期間が5年以上であること
高年齢再就職給付金は、基本手当を受給した後に再就職し、再就職後の各月の賃金が基本手当の基準となった賃金日額を30倍した額の75%未満になることが要件です。それ以外にも以下の5つの要件を満たした場合に受給が可能になります。
●60歳以上65歳未満の一般被保険者であること(雇用保険)
●基本手当の算定期間が5年以上あること
●基本手当の支給残日数が100日あること
●雇用期間が1年以上になることが確実であること
●同一の就職で再就職手当の給付を受けていないこと
年収が大幅に減ってしまう場合は給付金受給の検討を
定年後は年収が下がってしまうことが予想されるため、60歳以降の生活について不安に感じる人も多いと思います。そのような場合は給付金の受給も検討してください。要件を満たせば再雇用の場合でも再就職の場合でも、給付金を受給できる可能性があります。まずは、受給できるかどうかを確認してみましょう。
出典
国税庁長官官房企画課 令和4年分民間給与実態統計調査
金融広報中央委員会 各種分類別データ(令和4年)
厚生労働省 Q&A~高年齢雇用継続給付~
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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