更新日: 2023.12.25 定年・退職
「60歳で仕事引退」の時代はどこへ…今の40~50代が抱える「早期退職」問題とは?
しかし「自分がいつ退職すればよいのか分からない」「退職したら収入が途絶えるのが心配」など、退職時期に関して悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、40代・50代の平均貯蓄額を見ながら、早期退職を決めるタイミングについて解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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40代・50代の平均貯蓄額
早期退職の時期を決めるうえで重要なのが、経済面での余裕があるかどうかです。退職後再び働くとしても、すぐに次の職場が見つかるかは分かりません。その後、働かないとしても、年金を受給できるのは原則65歳からです。それまでの間の生活費や、年金では足りない分の資金をためておく必要があります。
そこでまずは、40代と50代で平均貯蓄額にどれくらいの差があるのかを見てみましょう。
表1
平均貯蓄額(金融資産保有額) | ||
---|---|---|
40代 | 単身世帯 | 657万円 |
二人以上の世帯 | 825万円 | |
50代 | 単身世帯 | 1048万円 |
二人以上の世帯 | 1253万円 |
※金融資産を保有していない世帯を含む
※金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(令和4年)[単身世帯調査][二人以上世帯調査]」を基に筆者作成
40代と50代で平均貯蓄額は、単身世帯で391万円、二人以上の世帯で428万円の差が見られます。これは平均値でしかありませんが、40代で早期退職する場合と、50代まで働いた場合とで、貯蓄額に大きな違いが出ることを考慮しましょう。
早期退職することでのメリット
早期退職すると、それ以降の収入が途絶えて、損をするとお考えの方もいらっしゃるかもしれません。
しかし会社によっては「早期退職優遇制度」を実施しているところもあり、会社の都合で早期退職を宣告された場合は、自己都合で退職するよりも優遇措置を受けられるケースがあります。会社によって受けられる優遇措置は異なりますが、一般的には以下の通りです。
●割り増し退職金
●再就職支援制度
●特別休暇制度
●有給休暇の買い上げ
通常通りに定年退職を迎えるよりも、退職金が割り増しで支給されたり、再就職への支援を受けられたりするなどのメリットが期待できます。早期退職して退職金をもらったあとも、ほかの会社に再就職することは可能です。
キャリアアップを目指すのであれば、40代や50代のうちに早期退職することで、次のキャリアへ踏み出しやすくなるでしょう。
ただし、自分で退職時期を決定して早期退職する場合は、自己都合退職扱いとなる可能性があります。自己都合による退職は、会社からの優遇措置を受けられなかったり、失業保険の手当をすぐに受給できなかったりすることもあるため、注意しましょう。
早期退職を決める際のポイント
早期退職を決める際は、タイミングが重要です。ベストなタイミングは、その人の状況や会社の環境などによって異なります。
まずは、早期退職後のライフプランを立てましょう。そのライフプランに合わせて、退職時期を決めることをおすすめします。
退職後にキャリアアップやキャリアチェンジを目指すのであれば、早めに退職して、次のキャリアに向けて準備を進めるのもよいでしょう。しかしその場合、会社から十分な優遇措置が受けられるのか、貯蓄に余裕があるのかなどを考慮する必要があります。
老後に向けての貯蓄がない方や、会社による優遇措置が受けられない場合には、早期退職するメリットが得られない可能性も考えられます。自分たちの経済状況や今後のライフプランに合わせて、ベストなタイミングを検討しましょう。
早期退職のタイミングはライフプランに合わせて決めよう
早期退職を勧める企業があるなかで、退職するタイミングはとても大切です。大きくは収入が減ることが懸念されますが、会社からの優遇措置を受けられるのであれば、早期退職を選択肢の一つとしてもよいでしょう。
自分たちのライフプランや貯蓄額などを考慮して、適切な退職時期を見極めることがポイントです。
出典
株式会社東京商工リサーチ 今年の「早期・希望退職募集」は20社 統計開始以来、「情報通信」が初の最多 ~ 2023年(1-5月)上場企業「早期・希望退職」実施状況 ~
金融広報中央委員会 知るぽると 家計の金融行動に関する世論調査(令和4年)
単身世帯調査 表番号4金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)
二人以上世帯調査 表番号4金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー