更新日: 2023.12.26 定年・退職

58歳独身で年収300万円ですが、貯金が「200万円」しかありません…老後を乗り切るにはどうすればよいでしょうか?

58歳独身で年収300万円ですが、貯金が「200万円」しかありません…老後を乗り切るにはどうすればよいでしょうか?
定年後も、再雇用として働きたいと考えている方もいらっしゃるでしょう。内閣府の「令和元年度 高齢者の経済生活に関する調査」では、84.5%の人(「働けるうちはいつまでも」の回答を含む)が、65歳くらいまで、またはそれ以上になっても、収入を伴う仕事をしたいと考えていることが分かりました。
 
老後は2000万円ほどの資金が必要といわれるなかで、定年後の収入減は大きな不安の要素となるでしょう。そこで今回は、老後に必要な生活費を確認しながら、今までの年収を維持した働き方を実現する方法をご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

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老後に必要な生活費

自分たちの老後にいくら必要なのかを考えるうえで大切なことは、老後の生活にいくらお金がかかるのかを知ることです。総務省統計局の「家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)」によると、65歳以上の世帯における平均支出(月額)は、表1の通りです。
 
表1
 

65歳以上の世帯 非消費支出 消費支出
夫婦のみ無職世帯 3万1812円 23万6696円 26万8508円
単身無職世帯 1万2356円 14万3139円 15万5495円

 
※総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)」を基に筆者作成
 
定年退職後の65歳以上無職世帯では、夫婦世帯で約27万円、単身世帯で約16万の出費が毎月かかります。
 
上記の数字はあくまで平均値ですので、ライフスタイルによって、支出は多少変動するでしょう。毎月の支出を抑えるには、保険や税金などの非消費支出ではなく、食費や娯楽費などの消費支出を減らす必要があります。
 
単身世帯の場合、年間の支出が186万5940円ですので、貯蓄200万円だと、1年ほどしか生活できません。
 
ただし65歳になると年金を受給できたり退職金として大きなお金が手に入ったりするため、その分を生活費に充てられるでしょう。同資料によると、年金を含む社会保障給付の平均額は、夫婦のみ無職世帯で「22万418円」、単身無職世帯で「12万1496円」とのことです。表1の支出を見てみると、年金だけでは生活費をまかなえないことが分かります。
 
このことから、定年退職後は働かないのであれば、十分な資金を用意しておく必要があるといえるでしょう。
 

定年退職後も今までの年収を維持して働く方法

老後の生活を年金だけでまかなうことは難しく、自分たちの資金を充てなければなりません。十分な老後資金がない場合には、定年退職後も再雇用として働く方法があります。
 
再雇用とは、定年退職後に新たに雇用契約を結ぶ働き方です。同じ会社で働くことが可能で、会社によっては定年前と同じ仕事を続けられるメリットがあります。
 
しかし再雇用になると、賃金や勤務形態などが変わり、定年前よりも給与が低くなるケースは珍しくありません。
 
65歳になれば、年金を受給しながら働けますので、給与が減っても、収入をカバーできることもあるでしょう。
 
例えば、年収300万円(賞与なしで月給25万円)で、定年まで働いていたと仮定します。定年後、毎月年金を10万円受け取るとすると、月に15万円の給与があれば、今までの年収を維持できます。ただし、年金受給額と賃金などの収入の合計額が月に48万円以上あると、年金の減額もしくは受給の一時停止となりますので、注意しましょう。
 
ほかには、再雇用ではなく、再就職するということも選択肢の一つです。再雇用で賃金が大幅に減ってしまう場合、給与が高い職場へ再就職することも可能です。自分が必要なお金を得られるように、定年後の働き先を選択しましょう。
 

老後資金が足りない場合には定年後も再雇用で働こう

老後の生活は、年金だけではまかなえない可能性があります。定年後の生活で困らないためには、十分な資金を準備しておくか、定年後も再雇用や再就職で働かなければなりません。
 
しかし、再雇用として働く場合は、定年前よりも賃金が下がるおそれがあります。まずは、再雇用でいくら収入が得られるのかを確認しましょう。
 

出典

内閣府 令和元年度 高齢者の経済生活に関する調査結果(全体版)第2章 調査結果の概要

総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)家計の概要 Ⅱ 総世帯及び単身世帯の家計収支 <参考4> 65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯)

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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