更新日: 2023.12.31 セカンドライフ

平均的な年収の会社員世帯であれば、将来も平均的な年金を受給して働かずに暮らしていけますか?

平均的な年収の会社員世帯であれば、将来も平均的な年金を受給して働かずに暮らしていけますか?
会社員として働いて定年退職を迎えた後は、働かずに公的年金だけで暮らしたいと考える人もいるのではないでしょうか。
 
そのような場合は、将来的にもらえる年金の平均額はどのくらいなのか、実際に自分がもらえる年金額についても大体の目安を確認しておくと良いでしょう。会社員がもらえる厚生年金は国民年金とは異なり、平均標準報酬額と被保険者月数を元に決まるからです。
 
本記事では、年金の平均額をはじめ、老後の最低日常生活費、年金を受給して働かずに暮らすために検討したい方法を解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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将来的にもらえる年金の平均額

将来的にもらえる年金は、国民年金と厚生年金で平均額が異なります。令和5年度の国民年金は6万6250円で一律(満額の場合)ですが、厚生年金の平均額は図表1のとおりです。
 
【図表1】

年齢 平均年金月額
60歳 8万7233円
61歳 9万4433円
62歳 6万1133円
63歳 7万8660円
64歳 7万9829円
65歳 14万5372円

厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より筆者作成
 
また、厚生年金の平均額は、図表2のように男女間で差があります。
 
【図表2】

男性 女性
60歳 8万8303円 8万556円
61歳 9万6213円 8万3785円
62歳 10万8082円 5万5371円
63歳 9万564円 5万1206円
64歳 9万843円 4万9182円
65歳以上 16万9006円 10万9261円

厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況 」より筆者作成
 
男女の平均額を比較した場合、男性と女性の差は6万円近くにもなります。これは女性の結婚や出産などによる働き方の違いから発生する金額差といえるでしょう。
 

年金記録や年金額を確認する方法

老後は働かずに年金だけで暮らしたい場合は、将来的に受け取れる年金額がどのくらいなのかを確認しましょう。そのうえで働かずに暮らせるかどうかを判断してみてください。
 
年金記録や年金額の確認方法は主に4つあるので、適切な方法で調べてみてください。

●ねんきんネットへログイン
●ねんきんダイヤル
●ねんきん定期便
●年金事務所で直接確認

ただし、確認できるのは加入実績に応じた年金額や見込み額であるため、年金の加入状況に変化があれば年金額も違ってきます。あくまでも目安としたうえで、老後の資金計画を立てる際の参考にしてください。
 

夫婦2人の老後の最低日常生活費はどのくらい?

(公財)生命保険文化センターの「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査(速報版)」によると、夫婦2人の老後の最低日常生活費は、1ヶ月あたり平均23万2000円とのことです。しかし、最低日常生活費であるため、さらにゆとりある老後生活を求めるとなると、1ヶ月あたり平均37万9000円が必要になります。
 
受け取れる年金が国民年金だけなのか、厚生年金も受け取れるのかによっても異なりますが、平均的な年金額だけでは生活苦ではないにしても、ゆとりのある生活はできない可能性が高いでしょう。
 

年金を受給して働かずに暮らす方法

年金を受給して働かずに暮らすためには、早いうちから対策を検討する必要があります。年金以外にも貯金をするなどして老後資金を確保することは可能ですが、年金の受給額そのものを増やしたいなら、以下の方法を検討してみてください。

●繰下げ受給
●60歳以降も働く

それぞれについて解説します。
 

繰下げ受給で年金額を増やす

原則として65歳から受け取れる年金を66歳以降75歳までの間に繰り下げることによって、年金額を増やせます。0.7×65歳に達した月から繰下げ申し出月の前月までの月数を乗じた増額率が適用し、生涯にわたって増額した年金の受け取りが可能です。
 
年金を効率良く増やす方法ですが、あくまでも65歳以降に年金を受け取るまでの生活費を貯金などでまかなえる場合に検討してください。また、繰下げ待機期間中に被保険者が死亡すれば、繰下げ損となるリスクも高いです。
 

60歳以降も再雇用や再就職などで働く

60歳で定年退職を迎えた後も再雇用で働いたり、再就職先を見つけたりして厚生年金保険料を多く払い込めば将来的に受け取れる年金額に反映されます。老厚生年金の受給額は、平均標準報酬額と被保険者月数から算出するため、加入期間が長ければ受給額を増やせるのです。
 
身体能力的に無理をしないことは前提となりますが、退職金に手を付けずに済みますし、繰下げ受給の増額率にも反映されるため、年金額を大きく増やすのに有効な方法といえるでしょう。
 

年金だけで暮らすために今のうちから備えておこう

将来的に受け取れる年金額がどのくらいなのか把握することで、働かずに年金だけで暮らせるかどうかを判断する目安になるでしょう。夫婦2人の老後の最低日常生活費は、1ヶ月あたり平均23万2000円、さらにゆとりある老後生活費となると1ヶ月あたり平均37万9000円が必要です。これらの金額を年金額が上回るようなら、年金だけで暮らせる可能性は高いです。
 
しかし、下回っていたり、より安心感を手に入れたかったりするなら、適切な方法で年金額を増やすことを今から考えておいてください。
 

出典

日本年金機構 令和5年4月分からの年金額等について
厚生労働省 令和3年度  厚生年金保険・国民年金事業の概況
日本年金機構 年金の繰下げ受給
生命保険文化センター 2022(令和4)年度 生活保障に関する調査
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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