更新日: 2024.01.09 定年・退職

公務員の「退職金」は民間企業の会社員より多い?定年時にもらえる退職金の相場を比較

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

公務員の「退職金」は民間企業の会社員より多い?定年時にもらえる退職金の相場を比較
公務員というと「収入が安定していて、民間企業よりもいい給料をもらっている」というイメージを抱く人も多いでしょう。退職金に関しても多くもらえそうだと考える人は多いのではないでしょうか。
 
そこで本記事では、政府が公表しているデータをもとに、公務員と民間企業の退職金の相場や、給付方式の違いをまとめました。公務員の退職金は本当に高いのか、自身の勤め先の退職金制度とも比較してみてください。
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公務員の退職金はどうやって算定する?

公務員の退職金(退職手当)は、法律や各自治体の条例に基づいて支給されます。人事院「第3章 定年後の収入と支出」によると、国家公務員の退職金の計算式は次のとおりです。
 
退職金額=基本額(退職日の俸給月額×退職理由・勤続期間別の支給割合)+調整額
 
俸給月額とは、国家公務員の俸給表の額と、職務の複雑さ・責任の度合いなどによって加算される調整額の合計額です。退職理由には、自己都合、定年・応募認定(募集への応募による早期退職)、死亡、傷病、整理などがあります。
 
また、地方公務員の退職金も、国家公務員に準ずる方法で計算されます。退職時の給与に勤続期間、退職理由に応じた係数を掛けて退職金額を計算する方法は、民間企業でも一般的に使われるものであり、退職金算定の仕組みが公務員と民間で大きく違うということはありません。
 

公務員の退職金を民間企業と比較

「公務員の退職金は民間企業よりも多そうだ」というイメージを抱く人も多いかもしれませんが、実際にはどうなのでしょうか。
 
人事院が令和4年4月に発表した「民間の退職金及び企業年金の実態調査の結果並びに国家公務員の退職給付に係る本院の見解について」によると、官民退職給付水準の比較結果は図表1のようになっています。
 
【図表1】

民間 公務員 比較結果
退職給付額 2405万5000円 2407万円 △1万5000円

人事院「民間の退職金及び企業年金の実態調査の結果並びに国家公務員の退職給付に係る本院の見解について p14」より筆者作成
 
公務員の退職金水準は民間より1万5000円高いだけで、ほとんど変わらない数字です。続いて、図表2で、民間企業と公務員の定年退職時の退職金を、勤続年数・給付方式別に比較してみましょう。
 
【図表2】

【図表2】

人事院「民間の退職金及び企業年金の実態調査の結果並びに国家公務員の退職給付に係る本院の見解について p12.13」より筆者作成
 
両者の数字を比較してみると、企業年金は民間企業の方が高く、退職一時金として受け取れる金額は公務員の方が高い傾向があることがわかります。退職給付の水準は官民で同等でも、退職金としてまとまった金額を受け取りやすいのは、公務員の方だと言えるようです。
 

退職金の水準は公務員と民間企業で大きな開きはない

公務員の退職金は、民間企業で一般的に採用されているのと同じような方法で算定されています。人事院が公表しているデータで比較すると、公務員と民間企業の退職金の給付水準に、イメージほど大きな差はありません。
 
ただし、退職金の給付方式別に比べると、公務員のほうが退職一時金として受け取る金額が大きい傾向にあることがわかります。退職後すぐにまとまったお金として退職金を受け取ることに関しては、公務員のほうが有利だといえるでしょう。
 

出典

人事院 退職手当の支給
人事院 民間の退職金及び企業年金の実態調査の結果並びに国家公務員の退職給付に係る本院の見解について
 
※2024/01/09 記事を一部修正いたしました。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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