更新日: 2024.01.09 セカンドライフ

夫婦ともに50歳で貯金はゼロ。年金と退職金のみで老後は乗り切れますか?

夫婦ともに50歳で貯金はゼロ。年金と退職金のみで老後は乗り切れますか?
老後の生活には、2000万円以上もの資金が必要といわれています。背景としては、物価高騰や年金不足が考えられます。定年退職後に再び働かない場合は、年金のほかに、貯蓄や退職金で生活費をやりくりしなければなりません。
 
そこで今回は、老後に必要な生活費を解説しながら、退職金と年金だけで生活していけるのかを計算してみます。将来のお金への不安がある方は、ぜひ参考にしてください。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

65歳以上の世帯における平均支出

まずは定年退職後の、65歳以上無職世帯における平均支出を見てみましょう。
 
総務省統計局の「家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)」によると、65歳以上の無職世帯における支出(月額)は表1の通りです。
 
表1

非消費支出 消費支出
単身無職世帯 1万2356円 14万3139円 15万5495円
夫婦のみの無職世帯 3万1812円 23万6696円 26万8508円

※総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)」を基に筆者作成
 
ライフスタイルによっても支出は変わってきますが、平均すると、単身世帯で15万5495円、夫婦のみの世帯で26万8508円の生活費がかかります。
 
上記のほかにも、医療費や介護費がかかることも考えられるため、人によっては、表1よりも支出が多くなる可能性があるでしょう。
 

退職金の平均給付額

東京都産業労働局の「中小企業の賃金・退職金事情(令和4年版)」では、モデル退職金(学校を卒業してすぐ入社した方が、普通の能力と成績で勤務した場合の退職金水準)が発表されています。学歴によって支給金額に違いが見られるため、それぞれのモデル退職金を表2にまとめました。
 
表2

学歴 定年時のモデル退職金(支給額)
高校卒 994万円
高専・短大卒 983万2000円
大学卒 1091万8000円

※東京都産業労働局の「中小企業の賃金・退職金事情(令和4年版)」を基に筆者作成
 
大学卒業で中小企業に勤めていた方は、およそ1092万円の退職金が支給されることが想定されます。会社や勤務年数などによって退職金は変化しますので、あくまでも目安として参考にしてください。
 

退職金と年金のみで老後を乗り切れるのか?

では実際に、約1092万円の退職金と年金で、老後何年の生活ができるのかを計算してみましょう。
 
今回は、夫婦で合わせて月20万円の年金を受け取っていると仮定します。夫婦のみの無職世帯における月の支出は26万8508円であったため、月20万円の年金では、6万8508円足りません。
 
年間82万2096円のお金を退職金(1092万円)でまかなう場合、およそ13年間(年金が受け取れる65歳から78歳まで)は生活ができそうです。ただし生活費のほかに、医療費や介護費がかかった場合や、より長生きした場合は、さらに早く退職金がなくなる可能性が高いでしょう。
 

退職金と年金で十数年は生活できるが出費が増えたら生活は厳しい

およそ1000万円の退職金と月10万円程度の年金がある場合は、十数年の生活は可能であることが分かりました。しかし、医療費や介護費がかかる可能性も高く、ライフスタイルによっては、さらに早く退職金がなくなってしまうおそれもあります。
 
老後安心して生活するには、余裕をもった資金を準備しておくことが大切でしょう。
 

出典

総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)家計の概要 Ⅱ 総世帯及び単身世帯の家計収支 図1 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の家計収支 -2022年-、図2 65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の家計収支 -2022年-(18ページ)
東京都産業労働局 中小企業の賃金・退職金事情(令和4年版)Ⅱ.調査結果の概要 8.モデル退職金(集計表 第8表)<図表8-1>モデル退職金(34ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集