更新日: 2024.01.10 定年・退職

【公務員 vs 民間企業】それぞれの「役職定年」で、収入はどれくらい変わる? 年齢・規模などについても解説

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

【公務員 vs 民間企業】それぞれの「役職定年」で、収入はどれくらい変わる? 年齢・規模などについても解説
2023年から公務員にも導入された「役職定年制度」は民間企業でも導入されている制度ですが、公務員と民間企業では制度の主な内容と収入の変化が異なります。本記事では、それぞれの制度内容や収入の変化への影響などを解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

役職定年とは、どんな制度?

役職定年とは定年退職年齢になる前に、勤務先で決められた年齢になったら部長などの管理職から降りて一般職などにつく制度です。
 
主に組織の新陳代謝や人件費増加の抑制・職員構成の高齢化に伴う管理職ポスト不足の解消、若手人材の育成などを目的として1980年代ごろから民間企業で導入されてきました。
 

公務員と民間企業での役職定年の内容の違いは?

公務員と民間企業それぞれの役職定年の内容には、主にどのような違いがあるのでしょうか。
 
(1)役職定年制度の対象となる年齢の違い
公務員では一斉に60歳から始まるのに対し、民間企業では50代から60歳まで各企業が定める年齢が対象で、55歳とする企業が多い傾向です。
 
(2)役職定年制度を行っている規模の違い
公務員では国家公務員・地方公務員も合わせて一斉に開始されましたが、民間企業では従業員数が多い企業での導入が多い傾向にあり、役職定年制度を廃止するところもあります。
 

役職定年による収入変化は?

公務員と民間企業それぞれの場合で、役職定年による収入変化はどの程度なのでしょうか。
 
<公務員での変化>
公務員での役職定年制度では、管理職についていた時点・役職定年によって役職からおりた日の翌日・60歳に達した日後の最初の4月1日と段階的に俸給(基本給)が下がっていき、最終的に管理職についていた時点での70%まで下がります。
 
例えば、課長級で51万円だった場合、役職を降りた翌日には41万円、60歳に達した日後の最初の4月1日には35万7100円(調整額を含む)となります。
 
<民間企業での変化>
厚生労働省が発表した「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、男女計では部長級58万6200円、課長級48万6900円でした。
 
人事院が平成20年に発表した「民間企業における役職定年制・役職任期制の実態」において課長級の役職定年後の年収水準が下がると回答した企業は82.5%でした。年収水準の低下率は「約75~99%」が最も高く78.2%、「約50~74%」が20.4%という結果でした。
 
仮に、役職定年前の課長級48万6900円から75%の減少として試算すると、役職定年後は36万5175円になります。
 

まとめ

公務員と民間企業、同じ民間企業でも会社ごとに、役職定年制度の対象年齢や内容が違います。子どもが成人して教育費などの家計負担が軽くなる時期と重なりやすいため、自分の老後生活への準備スタート地点とも言えるでしょう。
 
役職定年が見えてくる年齢が近づいてきたら、貯蓄や将来の老齢年金受け取り見込み金額などと現在の家計を比較して、将来への生活設計に取り組み始めるのが良いでしょう。
 

出典

人事院給与局 国家公務員の60歳以降の働き方について
厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況
人事院 民間企業における役職定年制・役職任期制の実態
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

ライターさん募集