更新日: 2024.01.10 定年・退職

退職の意を伝えましたが、なかなか取り合ってもらえないため飛ぼうと思っています。退職金だけが心残りなので、相場を教えてください!

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

退職の意を伝えましたが、なかなか取り合ってもらえないため飛ぼうと思っています。退職金だけが心残りなので、相場を教えてください!
退職は、これ以上働きたくないと思ったときが、その企業を離れる一つのタイミングとなりえます。しかし、退職の意向をすんなりと受け入れてくれる企業ばかりではありません。
 
ただ、受け入れてもらえないまま退職してしまうと、退職金を受け取れない可能性が出てきます。金額によっては「退職する」ことを考え直す人もいるでしょう。今回は、退職金の相場を、いくつかのデータを元に紹介します。
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自己都合だと退職金は減額傾向

そもそも退職金は、会社都合による退職と自己都合による退職とで金額が異なる傾向があります。
 
中央労働委員会の「令和3年賃金事情等総合調査」によると、会社都合による平均退職金額は約1197万円で、自己都合による平均退職金額は約447万円でした。両者には750万円ほどの差があります。退職者の年齢や勤続年数は異なるとみられるため、単純に比較はできないでしょう。
 
とはいえ、同じ年齢・勤続年数であれば、750万円もの差はないにしろ、会社都合による退職者よりも自己都合による退職者の方が退職金額が少なくなるのが一般的です。
 
ちなみに同調査では、退職金の受給資格を得るのに必要な最低勤続年数もまとめています。それによると、会社都合の場合、勤続年数1年未満で退職金を支給する企業の割合は55.5%と、半分を超えました。
 
自己都合の場合、1年未満で退職金を支給する企業の割合は、7.5%です。自己都合の場合では、勤続年数3年以上で退職金の受給資格を満たすとした企業がもっとも多く、割合は全体の50.7%となっています。
 
退職を希望するタイミングによっては、そもそも退職金を受け取れない可能性もあるでしょう。自社の就業規則を確認し、もし受給要件を満たしていないようであれば、強引に辞めてしまっても退職金に関する損得は特に生じません。
 

勤続年数ごとの退職金額の相場

同調査結果から、勤続年数ごとのモデル退職金額もみてみましょう。例えば、大卒の総合職で、勤続3年の人の退職金額は、69万円でした。勤続5年では118万円、勤続10年で約310万円となります。
 
勤続年数が増えるにつれ、退職金額も増えるのが一般的です。同調査でも、勤続15年で約578万円、勤続20年で約953万円と推移しており、勤続25年では約1394万円と、1000万円を超えました。
 
これらの退職金額は、いずれも会社都合のケースです。自己都合で辞めるのであれば、これらの金額よりは少なくなるでしょう。しかし、勤続年数による退職金額の推移を把握するための参考にはなります。
 
また、勤続年数や会社都合か自己都合かだけではなく、企業規模や業種、職種などによっても退職金額が異なる点は認識しておきましょう。
 

退職金の受け取りを目指してみよう

勤め先企業を辞めたいと思う理由は、人それぞれです。退職の意向を伝えても受け入れてもらえないケースもあるでしょう。しかし、退職金制度があり、退職金を受け取るための要件を満たしているのであれば、強引に辞めてしまうのはもったいないといえます。
 
いわゆる「退職する(飛ぶ)」という選択をしてしまうと、退職金はおそらく受け取れなくなる可能性が高いです。また、懲戒解雇処分となる可能性もあり、今後の転職活動などが不利になる可能性もあります。可能な限り気持ちのよい退職を目指しましょう。
 

勤続年数が短く自己都合でも退職金額は決して小さくはない

会社都合で辞めるのと自己都合で辞めるのとでは、退職金額に大きな差が生じるのが一般的です。勤続年数が短い人の退職金額は、さらに少なくなるでしょう。
 
それでも、受給要件を満たしている場合は、数十万円から数百万円は受け取れる可能性が出てきます。どうせ辞めるのであれば認めてもらえるまで粘り、退職金の受け取りを目指す道を選んでみましょう。
 

出典

中央労働委員会 令和3年賃金事情等総合調査
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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