老老介護が辛いので、自分の年金でヘルパーを雇いたいのですが、流石に難しいでしょうか……。

配信日: 2024.01.11

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老老介護が辛いので、自分の年金でヘルパーを雇いたいのですが、流石に難しいでしょうか……。
「老々介護がつらいから年金でヘルパーを雇いたい」「ヘルパーを自費で雇うと費用はどれくらいかかるの」などと考えていませんか。老々介護は心身に大きな負担がかかるため、対処法を模索している方は多いでしょう。
 
お困りの方のために、ヘルパーを自費で雇う場合にかかる費用の目安と年金で雇える可能性について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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高齢者世帯の実収入と可処分所得

年金でヘルパーを雇える可能性を考えるため、まずは高齢者世帯の実収入と可処分所得を確認します。
 
総務省統計局が発表している「家計調査報告書(家計収支編)」によると、令和4年における夫婦高齢者無職世帯(65歳以上の夫婦のみの無職世帯)の実収入は24万6237円、可処分所得は21万4426円です。
 

ヘルパーを自費で雇った場合の費用

ヘルパーを自費で雇うとどれくらいの費用がかかるのでしょうか。具体的な費用はサービスで異なると考えられますが、ここでは介護報酬を参考にします。
 
令和5年における「身体介護」の単位数は20分未満が167点、20分以上30分未満が250点、30分以上1時間未満が396点、「生活援助」の単位数は20分以上45分未満が183点、45分以上が225点です。
 
1単位10円であるため、「身体介護」の費用は20分未満が1670円、20分以上30分未満が2500円、30分以上1時間未満が3960円、「生活援助」の費用は20分以上45分未満が1830円、45分以上が2250円と考えられます。
 

ヘルパーを年金で雇える?

以上をもとに、ヘルパーを年金で雇えるかどうかを検討します。「家計調査報告書(家計収支編)」によると、令和4年における夫婦高齢者無職世帯の消費支出は23万6696円です。
 
可処分所得は21万4426円であるため、平均的な年金受給額で平均的な消費支出を行っている高齢者夫婦が、ヘルパーを年金で雇うことは難しいと考えられます。交際費などを節約するとヘルパーを雇えるのでしょうか。
 
「家計調査報告書(家計収支編)」によると、消費支出のうち20.9%はその他の消費支出(うち交際費9.6%)となっています。仮に、その他の消費支出を全額節約すると5万円ほど浮きます。可処分所得の不足分である2万2270円をここから減じると、余剰金は3万円ほどになります。
 
この金額を4週間分に換算すると1週間あたりの予算は約7500円です。数回程度であれば介護サービスを利用できると考えられます。また、介護保険を利用すれば、自己負担額が所得に応じて1~3割負担になります。
 
要支援・要介護度により利用限度額は異なりますが、経済的な負担を小さくできます。ただし、介護保険を利用しない場合のヘルパー代はケースにより異なります。具体的なヘルパー代は、事業者に問い合わせてください。
 

ヘルパーを年金で雇うことは難しい

夫婦高齢者無職世帯の可処分所得は21万円程度、消費支出は23万円程度です。ヘルパーを雇うと、身体介護の場合は20分未満で1670円、生活援助の場合は20分以上45分未満で1830円程度かかります。節約をせずに年金だけでヘルパーを雇うことは難しいでしょう。
 
介護保険を利用すると、自己負担額を1~3割に抑えられます。老々介護がつらい方や要介護認定を取得していない方は、市町村の窓口などで相談してみてはいかがでしょうか。
 

出典

厚生労働省 介護報酬の算定構造 介護サービス
総務省統計局 家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)平均結果の概要
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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