更新日: 2024.01.16 定年・退職
定年間近のサラリーマンですが、老後資金が心配です。生活保護と年金を同時に受給することはできるのでしょうか……?
しかし、万が一けがや病気で働けなくなった場合は年金をもらいながら生活保護を受給することはできるのでしょうか。今回は、生活保護制度と年金制度を解説しながら同時利用ができるかについて解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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ファイナンシャル・プランナー
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サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。
年金制度とは?
公的年金は、「国民年金」と「厚生年金」の2階建て構造になっています。
・国民年金:日本に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入しなければならない
・厚生年金:会社員や公務員の人が加入する
国民年金で受給資格期間が10年以上ある場合は、原則65歳になると亡くなるまで「老齢基礎年金」を受け取れます。さらに、厚生年金に加入していた場合、上乗せで「老齢厚生年金」を受給することが可能です。
また、年金には老後の生活を支える「老齢年金」だけでなく、「遺族年金」や「障害年金」があることをご存じでしょうか。
・遺族年金:家族が亡くなったとき、子どものいる配偶者または子どもが受け取れる。遺族基礎年金や遺族厚生年金がある。
・障害年金:病気やケガで障害が残ったとき受け取れ、障害の程度で年金額が異なる。障害基礎年金や障害厚生年金がある。
経済的に保険料の納付が難しいときは、免除や猶予制度があります。保険料の免除・猶予期間も受給資格期間に含まれるため、払えないからといって放置することはおすすめできません。
免除や猶予期間がある場合、通常よりも受け取る年金額は少なくなります。納められなかった分は、10年以内であれば「追納」という形で納付することも可能です。
生活保護制度とは?
生活保護制度とは、「生活困窮者に対して健康で文化的な最低限度の生活を保障する」という国民の権利です。
厚生労働省は、生活保護を受けるための要件として「生活保護は世帯単位で行い、世帯員全員が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することが前提でありまた、扶養義務者の扶養は、生活保護法による保護に優先します。」としています。
そのため、例えば預貯金や日常生活に使っていない土地・家屋があれば、生活保護を受ける前にまずそれらを売って生活費に充てる必要があります。また、働ける場合は当然働くことも求められます。
さらに、年金や手当などがもらえる場合は、まず生活保護制度よりも先に活用しなくてはなりません。このほか、親族などから援助が受けられる状態であれば、助けを借りる必要があります。
年金制度と生活保護制度の併用は可能
結論からいうと、厚生労働大臣が定める基準で計算される最低生活費よりも、受給している年金額が低い場合、年金受給者でも生活保護を受けることは可能です。生活保護費の支給額は、「最低生活費から収入を差し引いた差額」となります。
ただし、生活保護制度が利用できる要件を自分自身だけでなく世帯員全員が満たしていなくてはなりません。これらを念頭に置いたうえで、生活保護を申請するか検討しましょう。
出典
厚生労働省 日本年金機構 知っておきたい年金のはなし
厚生労働省 生活保護制度
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー