更新日: 2024.01.17 セカンドライフ

70代ですが「貯金ゼロ」です…年金「月15万円」でこのまま暮らしていけるのでしょうか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

70代ですが「貯金ゼロ」です…年金「月15万円」でこのまま暮らしていけるのでしょうか?
老後の生活には、2000万円以上の資金が必要といわれています。なかには貯金がほとんどなく、年金のみでやりくりしようと考えている方もいらっしゃるかもしれません。
 
そこで今回は、老後の生活を月15万円の年金だけでまかなえるのかについて解説します。老後に必要な生活費と、70代の平均貯蓄額もあわせて確認してみましょう。
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月15万円では、平均の支出額に毎月いくら足りない?

まずは、老後の生活にどれくらいのお金が必要なのかを見てみましょう。
 
総務省統計局の「家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)」によると、65歳以上の無職世帯における支出は、表1の通りです。今回は、単身無職世帯と夫婦のみの無職世帯に分けてまとめました。
 
表1

65歳以上の世帯 消費支出
(生活費)
非消費支出
(税金や保険料)
支出の合計
単身無職世帯 14万3139円 1万2356円 15万5495円
夫婦のみの無職世帯 23万6696円 3万1812円 26万8508円

※総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)」を基に筆者作成
 
表1によると、毎月の支出(消費支出と非消費支出の合計)は、単身無職世帯で15万5495円、夫婦のみの無職世帯で26万8508円です。
 
月に15万円の年金(夫婦の場合は二人で月に30万円)が支給される場合、単身無職世帯では5495円不足、夫婦のみ無職世帯では3万1492円プラスとなります。単身無職世帯では若干不足してしまいますが、生活スタイルによっては、やりくりできるかもしれません。
 
「上記の年金よりも支給額が少ない」「医療費や介護費がかかり毎月の支出が多い」など、どうしても生活が苦しい場合は、家族や役所、地域包括支援センターなどに相談して、受けられる支援がないかを確認してみましょう。
 

70代の平均貯蓄額は?

老後の支出が分かったところで、70代の方がどれくらい貯蓄をしているのかを見てみましょう。金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(令和4年)」では、年代ごとの平均貯蓄額を発表しています。
 
表2

  

70代 貯蓄額
(金融資産保有額)
平均値 中央値
単身世帯 1433万円 485万円
二人以上世帯 1905万円 800万円

※金融資産を保有していない世帯を含む
※金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(令和4年)[単身世帯調査][二人以上世帯調査]」を基に筆者作成
 
表2によると、70代の平均貯蓄額は単身世帯で1433万円、二人以上世帯で1905万円と、割と高い水準であることが分かりました。ただし平均値は、貯蓄額が多い世帯に数値が影響されてしまうため、中央値を参考にするとよいとされています。
 
中央値で貯蓄額を見ると、単身世帯で485万円、二人以上世帯で800万円です。どちらにしても、70代の世帯は、ある程度の貯蓄を準備していることが明らかとなりました。
 
老後の生活に困らないためには、できるだけ早いうちから資金準備を始めて、少しでも老後資金を用意しておくことが大切です。
 

「貯金ゼロ」では老後の生活に不安が残る

物価高騰や年金不足が懸念されるなか、老後の生活を年金のみでやりくりすることは、不安要素が大きいことが分かりました。今回のように、月に年金が15万円以上支給されれば、うまくやりくりできるかもしれません。
 
しかし高齢者になると、医療費や介護費が必要となる可能性が高くなります。そのため、少しでも老後資金を用意しておくことが大切です。早いうちから少しずつ貯金して、老後のために準備を進めましょう。
 

出典

総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)結果の概要 図1 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の家計収支 -2022年-、
図2 65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の家計収支 -2022年-(18ページ)

金融広報中央委員会 知るぽると 家計の金融行動に関する世論調査
[単身世帯調査]各種分類別データ(令和4年)1.金融資産の状況等 表番号4 金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)
[二人以上世帯調査]各種分類別データ(令和4年)1.金融資産の状況等 表番号4 金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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