更新日: 2024.01.23 定年・退職
今年定年退職を迎えます。会社から「再雇用できないかも」と言われました…貯金もあまりないので不安です。
もし「再雇用ができない」と伝えられたら、どのように対処したらよいのかと、心配される方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回の記事では、再雇用制度の根拠法令についてと、法令に基づいて上記のようなことが起こった場合の対処方法について解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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最低65歳までは雇用の確保が義務づけられている
厚生労働省の「高年齢者雇用安定法 改正の概要」によれば、定年を65歳未満に定めている企業は、高年齢者雇用安定法第9条に基づき、次のいずれかの措置を講じる義務があります。
1. 65歳までの定年の引き上げ
2. 定年制の廃止
3. 65歳までの継続雇用制度(再雇用制度・勤務延長制度)の導入
継続雇用制度の適用者は原則として「希望者全員」
以上の措置の実施割合について、令和5年「高年齢者雇用状況等報告」の「雇用確保措置を実施済みの企業の内訳」では、69.2%の企業が、65歳までの継続雇用制度を導入していていることが示されています。
あらかじめ定年を65歳未満に定めており、かつ継続雇用制度を導入している会社は、継続雇用を希望した従業員に対して、原則再雇用を拒否することはできません。
再雇用が認められないケースもある
平成24年の法改正により、継続雇用制度の対象者を限定できる仕組みは廃止されています。そのため、定年時に継続雇用をしない特別な事由を定めている場合は、高年齢者雇用安定法違反となります。
しかし、就業規則の解雇事由または退職事由と同じ内容を、継続雇用しない理由として規定することは可能です。
例えば、心身の故障のため、業務に堪えられないと認められることや、勤務状況が著しく不良で、引き続き従業員としての職責を果たし得ないことなどが挙げられます。
そのため、もし「再雇用ができない」と言われた際には、勤めている会社の就業規則についても確認してみることをおすすめします。
また、平成25年度に「改正高年齢者雇用安定法」が施行されるまでに、労使協定で継続雇用制度の対象者を限定する基準を定めていた事業主については、経過措置として、令和7年3月31日までは基準の適用が可能ですが、段階的に引き上げることが求められています。
お勤めの会社の労使協定を確認してみる必要があるでしょう。そのほか、会社が提示した労働条件について、労働者が合意できずに再雇用を拒否することもあるでしょう。この場合も違法とはなりませんので、注意が必要です。
「再雇用できない」と言われた場合の対処法
もし「再雇用ができない」と会社から伝えられた場合には、前述のような理由で拒否されているケースもあるため、まずは理由を確認しましょう。
そのうえで、拒否理由が不当であると感じた場合には、以下のような対応をとることをおすすめします。
●労働基準監督署に相談や申告をする
●会社と交渉したり、法的な手続きをとったりする
●労使間での交渉を行う
再雇用ができない理由を確認して適切に対処しましょう
再雇用制度を設けているにもかかわらず、会社から「再雇用ができない」と言われた場合には、会社の就業規則の解雇事由や退職事由に該当している可能性もあります。
まずは、再雇用できない理由を確認してみましょう。会社側の理由によっては、高年齢者雇用安定法違反である可能性もあります。
再雇用ができない理由を確かめたうえで、会社と交渉をしたり、労働基準監督署へ相談したりすることをおすすめします。
出典
厚生労働省
高年齢者雇用安定法 改正の概要 I高年齢者雇用安定法について(1ページ)
高年齢者雇用安定法Q&A(高年齢者雇用確保措置関係) Q1-1、Q2-2、Q1ー9、Q2-2
令和5年 高年齢者雇用状況等報告 1. 高年齢者雇用確保措置の実施状況(3ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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