定年後、年収がこれまでの半分の「250万円」になりました。生活が厳しいのですが、これほど減るのは普通ですか? 救済措置のような制度はないのでしょうか…?
配信日: 2024.01.21 更新日: 2024.01.23
本記事では、実際のところ定年後にどれくらい給与が減っているのかや、そういった人たちへの救済措置について解説しています。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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同じ会社で定年後に働く場合、大半の人の給与が減っている
リクルートが2023年の3月にインターネットにて55~74歳の男女に対しておこなった、「シニア層の就業実態・意識調査 2023(個人編)」では、定年前後で同じ会社で働いた場合の給与などについて調査をしています。
本調査にて、定年前後で同じ会社で働いた人の定年前の給与を100とした時における、定年後の給与の割合は次のとおりです。
●25%未満:5.0%
●25~50%未満:21.4%
●50~75%未満:43.3%
●75~100%未満:16.3%
●100%以上:14.1%
このように、同じ会社で働いた場合、以前と同じかそれ以上の給与だという人は14%ほどしかいません。そして、3割近くの人が以前の50%未満であると回答しています。
社会全体で見ても、定年前後で給与は減る傾向
前記のリクルートの調査はあくまでも「同じ会社」での再雇用ですが、実際には別の会社で働く人もいるでしょう。国税庁の「令和4年分民間給与実態統計調査」では給与所得者の年齢階層別の平均年収を公開しています。
同調査によると、給与所得者の平均年収は458万円です。そして、多くの会社で定年を迎える60歳前までの年代である55~59歳までは、年齢が上がるにつれて全体の平均年収は増加しています。
具体的には、55~59歳の平均年収はどの年齢層よりも高い546万円です。しかし、その後年齢を重ねるにつれ、60~64歳では441万円、65~69歳では342万円、70歳以上では298万円と平均年収は下がっていきます。
もちろん、中には定年後にも年収が増えた人もいるかもしれません。しかし、基本的には定年後に年を重ねるにつれ、年収は下がっていく傾向にあるといえるでしょう。
定年以降の給与減対策として、「高年齢雇用継続給付」という制度もある
このように、定年前後では大きく給与が下がってしまう人は少なくありません。中には給与が下がることで生活に困ってしまう人もいるでしょう。
しかし、60歳以降に減ってしまった給与の一部を補填(ほてん)する「高年齢雇用継続給付」という制度があります。「高年齢雇用継続給付」の制度では、60歳以上65歳未満で雇用保険の一般被保険者であること、原則として60歳時点よりも60歳以後の賃金が75%未満であることなどの条件を満たせば、所定の給付金が支払われます。
給付金は以前よりも賃金が減れば減るほど高い仕組み(上限あり)です。そして、この制度は基本的には勤めている会社からハローワークに申請します。中にはこの制度自体を知らない会社もありますので、注意しておきましょう。
まとめ
定年後は多くの人が以前よりも給与は減っている傾向にあります。とはいえ、救済措置もありますので、自分が該当するのかを調べたうえで、もらい漏れがないように注意しましょう。
出典
株式会社リクルート ジョブズリサーチセンター 【基本報告書】シニア層の就業実態・意識調査 2023―個人編60~74歳―
国税庁 令和4年分民間給与実態統計調査-調査結果報告-
厚生労働省 高齢者雇用継続給付の内容及び支給申請手続きについて
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー