更新日: 2024.01.23 セカンドライフ
【気になる老後の収入】貯金が尽きそうなので、「老後」も働くつもりです。正直「稼げない」と思うのですが、現役時代と比べてどれだけ給料は低くなるでしょうか?
しかし、老後の収入は現役時代と比べて減るケースが多くなっています。今回は、高齢者世帯の所得状況や働いている人の平均年収などについて紹介します。また、老後の生活を見据えて備えておきたいことについても説明します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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高齢者世帯の所得状況
まず、高齢者世帯の所得状況の把握が肝要です。厚生労働省の「国民生活基礎調査」の結果によると、令和3年の高齢者世帯の総所得は約318万円でした。そのうちの約63%は公的年金・恩給です。稼働所得は全体の約25%で、金額は年間で約80万円でした。
財産所得や年金以外の社会保障給付金の割合は非常に少ないため、高齢者の多くは年金の受給か稼働所得で生活費をまかなっていることが分かります。320万円ほどでは生活費が足りない場合や、年金をそれほど多く受け取れない人は、老後も働く必要があるでしょう。
60歳以上の平均給与
つづいて、高齢者の平均給与を、国税庁の「民間給与実態統計調査」からみてみましょう。令和4年分の調査結果によると、65〜69歳の平均給与は342万円でした。70歳以上では、298万円となっています。
日本人全体の平均給与は458万円です。年齢階層別の平均給与をみたとき、ピークは55〜59歳で546万円となっています。60〜64歳になるとピークから100万円ほど減り441万円となり、そこからは紹介した通り徐々に減少していく結果でした。
重要なのは、現役時代と比べたときの減少割合です。そもそも、自身の給与が平均給与に届いていない人も多いでしょう。そのような場合は、70歳以上になったときに年間で300万円ほどは稼げず、さらに少ない収入しか得られない可能性があります。
そのため、減少割合に着目し、自身の老後の給与を想定しておくとよいでしょう。平均給与のデータでは、ピークのときと比べ、70歳以上になると5割近くまで減少しています。このことから、自身のもっとも給与が高いときから、老後は半分近くまで給与が下がると想定できます。
早い段階からの備えが重要
貯金を含めた金融資産がなく、老後も働く必要があると認識しているのであれば、早い段階からの備えが欠かせません。ここでは、多くの人ができる将来への備えについていくつか紹介します。
・節約の習慣を身につけておく
お金がないのであれば、節約は不可欠です。老後になり収入が減ってから節約しようとしても難しいでしょう。早い段階から節約の習慣を身につけておかなければいけません。
節約ができれば、収入が変わらなくても生活費を増やせます。現役時代に身につけた節約の習慣は、貯金や投資の面でも老後の助けとなってくれる可能性が高いでしょう。
・少額からでも投資を始める
お金がないからと、最初から投資を諦めてしまっている人も多いでしょう。しかし、金融機関によっては毎月1000円や500円から、安いところでは毎月100円から投資信託が購入できます。投資期間が長くなるほど恩恵を受けられる可能性も高まるため、早めに勉強をし、少額からでも投資を始めておきましょう。
・健康に気をつける
老後も働くつもりであれば、健康についても意識しておかなければいけません。体力があれば老後に就ける職種の幅は広がり、就業時間も増やせます。
その結果、より多くの収入が得られるでしょう。日頃から運動し、食事にも気を遣い、ストレスもためない生活が送れると、いつまでも元気で働き続けられる可能性が高まります。
現役時代の意識と行動で老後の生活は変わる
老後も働くことを選んでも、現役時代ほどの収入は得られない人が多いでしょう。ピークのときと比べると、70歳以降では収入が半分近くにまで減る可能性があります。
そのため、老後も安心して生活を送るには、現役時代から行動を起こしておかなければいけません。節約の習慣を身につけ、少額からでもよいので投資を始めておくのも効果的です。また、健康の維持も重要です。早い時期からの行動が、老後の生活を大きく変えてくれるでしょう。
出典
厚生労働省 2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況
国税庁 令和4年分 民間給与実態統計調査-調査結果報告-
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー