あと数年で60歳。退職後も働かなくてはならず、暗い気持ちです。60歳を超えても働くのは今では当たり前なのでしょうか?
配信日: 2024.01.26
特に、働かなくても一定の収入を得られる人や、仕事以外の生きがいがある人にとって、完全引退は魅力的な選択肢になるかもしれません。そこで本記事では、60歳以上で仕事をしている人の割合や、今後も仕事を続けたいと考えている人の割合を紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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60~64歳の約7割が仕事を続けている
内閣府の「令和4年版高齢社会白書」によると、2021年の就業者の割合は、60~64歳の年代では71.5%となっています。10年前の2011年の割合(57.1%)と比較すると14.4ポイント上昇しており、60歳を超えても仕事を続ける人が年々増えている様子が読み取れます。そのほかの年齢層の割合は以下の通りです。
60~64歳:71.5%
65~69歳:50.3%
70~74歳:32.6%
75歳以上:10.5%
65~69歳の人のうち半数以上が仕事を続けていることを考えても、今や60歳を超えて働くのは珍しいことではなく、一般的になりつつあるといえるでしょう。また、男女別では特に男性の就業者の割合が高い傾向にあります。
自ら望んで仕事を続けている人が多い
60歳を超えても仕事を続ける人が多いのは、働かざるを得ない状況に置かれているからなのでしょうか。
厚生労働省の「第18回中高年者縦断調査」(67~76歳が対象)によると、調査時に「仕事あり」の人のうち、68~69歳になっても仕事をしたい人の割合は80.3%でした。70~74歳になっても仕事をしたい人は59.1%、75歳以降でも仕事をしたい人は27.2%と、自ら望んで仕事を続けている人が多いことが分かります。
仕事を続ける理由は人それぞれですが、主に「収入を得るため」「仕事にやりがいを感じられるから」「健康のため」といったものが考えられます。
60歳で完全引退するには何が必要?
行き当たりばったりで仕事を辞めてしまうと、今後の生活がままならなくなる恐れがあります。完全引退して第二の人生を楽しむためにも、どのような準備が必要なのかを確認しておきましょう。
・老後の生活費を試算する
完全引退後の収入は退職金や年金、金融資産などに頼ることになります。現役時代のイメージのままでは生活に余裕がなくなる可能性があるため、まずは老後の生活費を試算してみましょう。
厚生労働省の「令和4年簡易生命表の概況」によると、平均寿命は男性が81.05歳、女性は87.09歳です。80~90歳くらいまで生きることを想定し、必要になる支出をひとつずつリストアップしながら考えていくのがポイントです。
・住宅ローンの一括返済はよく考えてから
退職金の使い道として、住宅ローンの一括返済を検討している人は多いのではないでしょうか。一括返済には、「毎月の返済がなくなる」「利息分を軽減できる」といったメリットがある一方で、手元に残るお金が減ってしまうデメリットもあります。
特に、公的年金の受給は原則65歳開始となっているため、住宅ローンを一括返済しても今後の生活を問題なく送れるかどうかを事前によく考えておきましょう。
60歳を超えて働くのは当たり前ではない! 自分に合う選択をしよう
60歳を超えても仕事を続ける人が多いとはいえ、「60歳を超えて働く=当たり前」ではありません。自ら望んで仕事を続ける人と、完全引退して第二の人生を楽しむ人の両方がいるため、自分に合う選択をしましょう。
完全引退の道を選ぶのであれば、障壁になりやすい生活費の問題を解決できるよう、老後の生活を具体的にイメージすることが大切です。
出典
内閣府 令和4年版高齢社会白書(全体版) 第1章高齢化の状況(第2節 1)
厚生労働省 第18回中高年者縦断調査(中高年者の生活に関する継続調査)の概況
厚生労働省 令和4年簡易生命表の概況
日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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