年金は月10万円の見込みです。年金だけで老後を過ごすためには、どんな対策が必要ですか?
配信日: 2024.01.30
そこで、本記事では年金が月10万円の見込みだった場合に年金だけで本当に老後が過ごせるのかについて解説します。あわせて、年金だけで老後を過ごすための対策についても紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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年金月10万円で老後を過ごすことはできるのか?
まずは、年金が月10万円の場合、年金のみで老後が過ごせるのかについて確認していきましょう。ここでは、総務省統計局「2022年の家計調査報告」をもとに65歳以上で無職の夫婦のみと無職単身者のケースを紹介します。
・65歳以上の無職で夫婦のみの平均支出
同調査によると、65歳以上の無職で夫婦のみの場合における1ヶ月あたりの平均支出額は23万6096円です。夫婦2人の年金がそれぞれに月10万円の場合、月20万円の収入となります。しかし、平均支出額は20万円以上となっているため、月10万円の年金だけで老後を過ごすのは厳しいことがうかがえます。
・65歳以上の無職で単身の平均支出
同調査によると、65歳以上の無職で単身の場合における1ヶ月あたりの平均支出額が14万3139円です。年金が月10万円の場合、単身でも生活が厳しくなることがわかります。また、2022年ごろからは物価高騰に伴い私たちの生活費は増加傾向です。
自分の老後が現在と比較してどのぐらいの物価になっているかわかりませんが、月10万円で老後生活を送ろうとすると、かなり生活費を切り詰めないと難しいでしょう。
月10万円の年金で老後を過ごすために必要な対策とは?
ここでは、月10万円の年金で過ごしていくための主な対策を2つ紹介します。
予算を見直して余計な支出を減らす
まずは、予算を見直して余計な支出を減らすことがおすすめです。毎月の支出は、大別すると住宅ローンや家賃、保険料などの「固定費」と食費やガソリン代などの「変動費」があります。毎月かかっている支出について、1つずつ無駄なものがないかを確認してみましょう。
例えば、住宅ローンや家賃の場合は金利の低い金融機関へ借り換えしてみたり、家賃の安い場所に引っ越したりするなどが対策の1つです。また、生命保険や火災保険などの保険料は内容の見直しや別の保険会社に変更することで、支払いを抑えることが期待できます。
老後破産にならないように貯蓄や別の収入源を確保する
年金だけで生活できなくなると、老後破産に陥りかねません。老後破産とは、一般的に年金だけで支出がまかなえず家計が維持できなくなることを指します。以下では、総務省統計局「2022年の家計調査報告」をもとに65〜90歳までの25年間で生活費がどのくらい不足するのかをシミュレーションしてみます。
・65歳以上の無職夫婦のみ
毎月の平均支出額は23万6096円となるため、年間283万3152円(23万6096円×12ヶ月)が必要です。夫婦で月10万円ずつ年金をもらう場合、年間240万円なので約43万3152円不足します。25年間で不足する金額は約1082万8800円です。
・65歳以上の無職単身者
毎月の平均支出額は14万3139円となるため。年間にすると171万7668円(14万3139円×12ヶ月)が必要です。単身で月10万円ずつ年金をもらう場合、年間120万円なので約51万7668円不足します。25年間で不足する金額は、約1294万1700円です。
通常の生活費以外で、入院や通院など突発的な出費を含めると上述した以上の不足金額となりかねません。これを防ぐためには、老後に備えて早くから貯蓄をしておくことがおすすめです。
なかには、「65歳までに何千万も貯蓄できるか不安」という人もいるのではないでしょうか。そういった場合は、副業や投資などで年金以外の収入源を確保することも重要です。
早いうちから年金以外の収入源を確保しておこう
統計上の支出データから見ると年金が月10万円の場合、それだけで老後を過ごすことは非常に難しいことがわかりました。そのため、老後までになるべく貯蓄をしたり、年金とは別の収入源の確保を考えたりしておくことが大切です。
また、年金受給後も支給が停止されない範囲で働き続けることも現実的な選択肢といえます。月10万円でも、節約すれば生活できる人もいるでしょうが、日々切り詰めた老後生活を送りたくない場合は早めに対策を講じておくことが重要です。
出典
総務省統計局 家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)平均結果の概要
日本年金機構 繰り下げ増額率
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー