定年後に「毎日が日曜日」は、もはや夢の話!?「65歳以上」で働く人はどのくらい? 収支の平均も含め解説
配信日: 2024.01.30
しかし、近年では、毎日を日曜日のように過ごせる高齢者は減ってきている現実もあります。今回は、65歳以上で働いている人の割合や、高齢者の生活実態などを紹介していきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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65歳以上で働いている人の割合
総務省統計局が令和4年に公表した、65歳以上の高齢者に関する統計調査によると、高齢就業者数は909万人と過去最多でした。同調査によれば高齢者の人口は3627万人なので、高齢者の就業率は約25.1%となります。実に高齢者の4人に1人が働いているということになります。
年齢が上がるにつれて就業率は下がっていきますが、65~69歳では半分以上となる50.3%が、70歳以上でも18.1%の人が働いています。高齢者の就業率は、男性では34.1%、女性では18.2%となっており、各年齢階層でも男性が女性を上回っている状況です。
65歳以上の就業者数と就業率は、ともに右肩上がりといえます。高齢化社会を迎えている日本において、今後、高齢就業者数が1000万人を超える可能性は十分にあるでしょう。
65歳以上は年金だけでは赤字?
65歳以上になっても働く人がおり、その数や割合が増えている理由の一つに、生活するためのお金を稼がなければならない状況があるとみられます。
総務省統計局の「令和4年 家計調査」の結果によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯が受けている社会保障給付の平均月額は、約22万円です。それに対して、毎月の消費支出額は平均で約23万7000円となっています。可処分所得は22万円よりも少なくなるため、平均でみても毎月2万円以上の赤字となるでしょう。
65歳以上の単身無職世帯では、社会保障給付の平均月額が約12万1000円であるのに対して、毎月の平均消費支出額は、約14万3000円となっています。やはり2万円以上の赤字となる状況です。
前述の「令和4年 家計調査」の結果によると、65歳以上の無職世帯では、夫婦のみの世帯でも単身世帯でも、住居費は1万3000~1万6000円程度と、そこまで高くはありません。これは持ち家に住んでいる人が多いためです。65歳以上で賃貸物件に住む場合は、毎月5~10万円程度の赤字となってもおかしくはないでしょう。
定年前に貯蓄をしておくコツ
高齢者になると、病気やけがなどにより医療費が突然必要となるケースも出てくるでしょう。家計調査をみても、早いうちから老後資金を貯めておくことが重要といえます。ここでは、定年前に貯蓄をしておくコツを紹介します。
・現状の把握と将来の想定
何よりも、現状の把握と将来の想定が必要です。現在の貯蓄を把握し、65歳以降に必要となるお金を試算しておかなければいけません。老後の生活が厳しくなる可能性を認識できれば、意識そのものが変わります。貯蓄の重要性も理解しやすくなるでしょう。
・給与の一部を老後資金として貯金する
給与を受け取ったら、その時点で老後資金用の口座に入れておくのも一案です。最初から強制的に老後資金を貯められるので、貯金が苦手な人も試す価値があります。余ったお金を老後資金用の貯金に回すよりも、余ったお金で生活費を賄う形のほうが、より確実にお金を貯められるでしょう。
・投資による資産運用も検討してみる
もし年齢が40代以下であれば定年までは20年以上、もしくは20年近い年数があることになります。中長期の投資により貯蓄を増やしていく方法も選択肢の一つです。50代前半であれば10年ほどは運用により貯蓄を増やせる可能性があります。年齢によっては定年後に備えて、投資による資産運用を検討する価値が出てくるでしょう。
定年後も毎日が日曜日とはいえない時代になっている
総務省統計局の家計調査によると、65歳以上の無職世帯では、夫婦2人でも1人暮らしでも毎月2万円以上の赤字となります。高齢就業者が900万人以上おり、高齢者の4分の1ほどが働いているのも、こうした赤字部分を労働収入により補填(ほてん)する必要がある家庭も存在するからでしょう。
定年後の安定した生活のためには貯蓄が必要です。まずは現状を把握し、将来を想定しておきましょう。老後資金のための貯金や、年齢によっては投資による資産運用も有効です。
出典
総務省統計局 統計トピックスNo.132 統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-
総務省統計局 家計調査報告家 計収支編 2022年(令和4年)平均結果の概要
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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