更新日: 2024.02.01 その他老後

「老後2000万問題」といわれていますが、それは孫への「養育費援助」も含まれているのでしょうか?それとも生活費のみの計算なのでしょうか?

「老後2000万問題」といわれていますが、それは孫への「養育費援助」も含まれているのでしょうか?それとも生活費のみの計算なのでしょうか?
少し前に話題になった「老後2000万問題」。2000万円不足するとされるなかに、どのような費用が含まれているのかについて疑問を抱く方は多いでしょう。たとえば、孫への教育費が含まれているかどうかによって、老後の資金計画が大きく変わります。
 
本記事では、老後2000万問題に含まれる費用について解説します。老後2000万問題に孫への教育費が含まれているのかを確認し、老後の資金計画を立てる際に役立ててください。
FINANCIAL FIELD編集部

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老後2000万問題には孫への教育費は含まれていない

金融庁の金融審議会「市場ワーキング・グループ」は2019年、「2017年の総務省家計調査(家計収支編)」における高齢夫婦の世帯をモデルとして、老後2000万問題をまとめました。その結果、毎月の収支がおよそ5.5万円の赤字となり、老後30年間でおよそ2000万円の赤字が生じると指摘しています。
 
ただし、このモデルケースの支出は食費や住居費など一般的な項目で構成されており、孫への教育費は考慮されていません。
 

モデルケースの支出の割合

老後の2000万円不足問題は、総務省が発表した「家計調査報告 平成29年」において、夫65歳以上、妻60歳以上の高齢夫婦無職世帯の家計収支をモデルケースとしています。
 
主な収入と支出の割合は、表1のとおりです。
 
【表1】

収入合計 20万9198円 支出合計 26万3717円
内訳 内訳
年金 19.1万円 食費 6.4万円
その他 1.8万円 住居費 1.4万円
水道光熱費 1.9万円
保健医療費 1.6万円
交通・通信費 2.8万円
教養娯楽費 2.5万円
税金や社会保険料 2.8万円
その他 6.9万円

※総務省「家計調査報告 平成29年 28~29p」を参考に筆者が作成
 
上記のモデルケースでは、毎月5万4520円の赤字となります。老後期間を30年と考えた場合、1980万円(およそ2000万円)不足することになります。
 
その他の支出には、理美容、たばこ、小遣い、交際費などが含まれており、養育費は考慮されていません。
 

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子どもの教育費の平均

文部科学省の「令和3年度子供の学習費調査」によれば、幼稚園から高校卒業までにかかる学習費の総額は、表2のとおりです。
 
【表2】

    

学習費総額
公立 私立
幼稚園 16万5126円 30万8909円
小学校 35万2566円 166万6949円
中学校 53万8799円 143万6353円
高校 51万2971円 105万4444円

※文部科学省「令和3年度子供の学習費調査の結果を公表します」を基に筆者作成
 
公立の場合は幼稚園から高校までの費用は156万9462円、私立の場合は446万6655円となります。
 
「学習費総額」には、以下の三つの費用が含まれています。

・学校教育費:入学金、授業料、通学関係費など
 
・学校給食費:給食費
 
・学校外活動費:塾、家庭教師、地域活動など

また、日本政策金融公庫の「令和3年度 教育費負担の実態調査結果」によると、大学および短大にかかる費用は、表3のとおりです。
 
【表3】

入学費用 在学費用(年間) 入学から卒業まで
国公立大学 67.2万円 103.5万円 481.2万円
私立大学文系 81.8万円 152万円 689.8万円
私立大学理系 88.8万円 183.2万円 821.6万円
短大 73万円 137万円 347万円

※日本政策金融公庫「令和3年度 教育費負担の実態調査結果」を基に筆者作成
 
※「入学から卒業まで」は「入学費用+在学費用×4年 ※短大は2年」で計算したものです。
 

孫の教育費に備えるためには早めの準備が大切

老後2000万問題とされる支出には、孫の教育費は含まれていません。そのため、孫の教育費を援助する場合は、老後2000万問題とは別の負担として考慮する必要があります。
 
子供の教育費が高額になることもあるため、教育費を援助する場合は早くから計画的に準備しましょう。教育費も考慮に入れつつ、将来の資金計画を立ててみてください。
 

出典

総務省 家計調査報告 平成29年
金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書 高齢社会における資産形成・管理
文部科学省 令和3年度子供の学習費調査の結果について
日本政策金融公庫 令和3年度 教育費負担の実態調査結果
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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