更新日: 2024.02.09 その他老後

「家計については心配していない」高齢者が6割越え!?老後は月20万円の収入が「普通」なの?

「家計については心配していない」高齢者が6割越え!?老後は月20万円の収入が「普通」なの?
老後の生活が心配だと考える人が多い一方で、内閣府の「令和3年度 高齢者の日常生活・地域社会への参加に関する調査結果(全体版)」によれば「家計については心配していない」と答えた人が6割以上もいることが分かりました。
 
そこで本記事では「家計に対して心配・心配ないと答えた割合の具体的な数値」「多くの高齢者は毎月どれくらいの収入があるのか」「年金、退職金、わずかな貯金でも楽しく暮らしていけるのか」について解説します。老後の資金のことで悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
FINANCIAL FIELD編集部

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家計に対して不安を感じていない人はどれくらいいるの?

最初に、60歳以上の方で、家計に対して不安があるのかどうかについての結果を見ていきます。内閣府の「令和3年度 高齢者の日常生活・地域社会への参加に関する調査結果(全体版)」で現在の経済的な暮らし向きについてどのように考えているのかを確認したところ、結果は表1のとおりとなりました。
 
表1

回答内容 割合
家計にゆとりがあり、まったく心配なく暮らしている 12.4%
家計にあまりゆとりはないが、それほど心配なく暮らしている 55.3%
家計にゆとりがなく、多少心配である 24.5%
家計が苦しく、非常に心配である 7.4%

※内閣府「令和3年度 高齢者の日常生活・地域社会への参加に関する調査結果(全体版) 第2章 調査結果の概要 1.調査対象者の基本属性 (9)経済的な暮らし向き」より筆者作成
 
表1を見て分かるとおり、心配なく暮らしている割合が67.7%、心配している割合が31.9%という結果になりました。
 
さらに、心配ないと答えている人たちの中でも「あまりゆとりはない」と答えている人たちが約55%を占めており、生活はできるけれど、贅沢はなかなかできないという人が多いことが分かります。
 
また、心配であると答えている人たちが3割ほどおり、心配ないと答えている人たちよりは少ないものの、心配だとしている人が少なからずいることも分かります。
 

多くの高齢者は毎月どれくらいの収入があるの?

続いて、多くの高齢者は毎月どれくらいの収入があるのかを、確認していきましょう。内閣府の同調査で、1ヶ月あたりの平均収入を割合の多い順に、表2にまとめました。
 
表2

金額 割合
20万~25万円未満 17.5%
15万~20万円未満 16.9%
10万~15万円未満 13.8%
25万~30万円未満 13.5%
30万~40万円未満 12.1%

※内閣府「令和3年度 高齢者の日常生活・地域社会への参加に関する調査結果(全体版) 第2章 調査結果の概要 1.調査対象者の基本属性 (10)1か月当たりの平均収入(税込み)」より筆者作成
 
表2を見て分かるとおり、「20万~25万円未満」が一番多い割合となっています。上位2位以降の割合を見ても、20万円前後をもらっている割合が多く、多くの人が毎月20万円ほどで1ヶ月の生活をしていることが分かるでしょう。
 

年金、退職金、わずかな貯金でも楽しく暮らしていける?

最後に、60歳以上の人たちが、どの程度楽しみや生きがいを感じているのかについての調査結果を見ていきます。内閣府の同調査によると、結果は表3のとおりです。
 
表3

現在生きがいをどの程度感じているか 割合
十分感じている 23.1%
多少感じている 50.1%
あまり感じていない 17.7%
まったく感じていない 2.6%

※内閣府「令和3年度 高齢者の日常生活・地域社会への参加に関する調査結果(全体版) 第2章 調査結果の概要 8.世代間の交流・生きがい (5)現在どの程度、生きがい(喜びや楽しみ)を感じているか」より筆者作成
 
表3を見ると、生きがいを感じている人の割合は73.2%、感じていない人の割合が20.3%となっています。家計にゆとりがなくても、生きがいを感じる割合が多いことが分かります。生きがいを感じている人が多い一方で、生きがいを感じていない人の割合も一定数いるため、老後への貯金をしながら自分の生きがいを探すと、よりよいでしょう。
 

家計にゆとりがある人は少ないから、貯金額を増やしていけるように工夫しよう

本記事では「60歳以上の方では、経済的な暮らしについて心配していない人が6割いること」「毎月の収入は20~25万円」ほどの人が多いことが分かりました。
 
とはいえ、生活にゆとりがあるわけではない人が多く、貯金をしておくに越したことはありません。家計の収支を確認して、貯金額を増やしていけるように工夫するとよいでしょう。
 

出典

内閣府 令和3年度 高齢者の日常生活・地域社会への参加に関する調査結果(全体版)第2章 調査結果の概要
 1.調査対象者の基本属性
  (9)経済的な暮らし向き(14ページ)
  (10)1か月当たりの平均収入(税込み)(14ページ)

 8. 世代間の交流・生きがい(5)現在どの程度、生きがい(喜びや楽しみ)を感じているか (116ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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