【介護×子育て】会うたび「孫の顔」を見たがる両親。正直あなたたちの「介護費用」でカツカツなんですけど……。
配信日: 2024.02.04 更新日: 2024.02.09
今回は、親の介護をしながら子どもを持つことの難しさと、親に理解してもらう方法などを紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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公的介護保険ではすべてまかなえないという現実
40歳を超えると公的介護保険へ加入し、介護保険料を納めます。65歳以上は第1号被保険者、40〜64歳の人は第2号被保険者として、必要に応じた介護サービスを受けることが可能になります。ただし、介護にかかるすべての費用が公的介護保険でまかなえるわけではありません。介護費用の一部は自己負担です。そして、被保険者の収入に応じて負担割合は変わります。
公益社団法人生命保険文化センターによると、本人の合計所得金額が160万円以上220万円未満、または220万円以上の人は、同世帯の第1号被保険者の所得に応じて〜3割の負担を求められます。
しかし、年収が160万円未満の人や住民税非課税者もしくは生活保護受給者でも、介護費用の1割は負担しなければなりません。そのうえ、在宅サービスや地域密着型サービスは要介護の度合いに応じて支給限度額が設定されています。介護サービスが支給限度額を超えた場合、超過部分の費用は全額自己負担になります。
例えば、要介護1(食事や排せつなどはほぼ自分でできるものの、歩行などが不安定で見守りや介助を必要とする状態)に認定された人の1ヶ月あたりの支給限度額は16万7650円です。
1割負担の場合は1万6765円、2割負担の場合は3万3530円、3割負担の場合は5万295円を自費でまかないます。なお、要介護1で受けられる在宅サービス・地域密着型サービスは「週3回の訪問介護」「週1回の訪問看護」「週2回の通所系サービス」「3ヶ月に1週間程度の短期入所」「福祉用具貸与(歩行補助つえ)」です。
介護と子育ての両立は難しい
公的介護保険で受けられる在宅サービスや地域密着型サービスは、要介護度に応じて変わります。支給限度額も要介護度が上がるにつれて高くなりますが、その分自己負担額も大きくなります。
しかし、それでも必要な介護サービスを網羅しているわけではありません。それ以外で必要なサービスは全額自己負担で外部に任せるか、家族が直接介護するのが一般的です。そうなると、経済的にも労力的にも親の介護と子育てを両立するのは難しいでしょう。
現実を親に理解してもらうには?
公的介護保険でまかなえない部分は、年金など本人の収入から出す人もいます。子どもが手続きや費用負担をするケースは多いですが、経済的に苦しいならその事実を親に話すことも必要です。現状で毎月どれくらいの費用を負担しているのか、親に伝えてみましょう。そのうえで経済的に子どもを持てないことを話し、介護にあてられる預貯金はないか相談してみることです。
不満を持つより現実をつきつけることも必要
公的介護保険に加入していても、自己負担もあるため介護にはお金がかかります。しかし、実際に言われてみないとわからない親もいます。困っているなら、まず現実をそのまま伝えてみましょう。
手続きや支払いなどを全部子どもが代行している場合、介護保険でまかなえていると思っている場合もあります。困っていることは正直に伝え、預貯金など親が出せる部分はないか相談することも大切です。
出典
公益社団法人生命保険文化センター 公的介護保険で受けられるサービスの内容は?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー