更新日: 2024.02.07 定年・退職
定年後「44%」は年金だけで暮らしてる!? 生活が苦しいなら「マイカー」は手放すべき? 節約できる費用を解説
本記事では、定年後の就業状況や年金だけで暮らしている人の割合、節約の例としてマイカーを手放した場合にどれくらい支出を減らせるのかを試算します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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定年後の就業率と所得が公的年金のみの世帯の割合
内閣府の「令和5年版高齢社会白書」によると、2022年の60~64歳の就業率は73.0%、65~69歳では50.8%です。つまり、60歳代の人の半数以上が働いています。
また、厚生労働省の「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」を見ると、公的年金を受給している高齢者世帯のなかで、所得が公的年金のみの世帯は全体の44.0%です。
高齢者の就業率は年々高まっていますが、それでも半数に迫る程度の人が公的年金による収入に頼って暮らしているようです。
定年後は支出を抑えることが大切
定年後は仮に再就職したとしても、多くの人は収入が減ってしまいます。国税庁の「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると、給与所得者の平均給与は55~59歳までは年齢が上がるにつれ増え続けるものの、多くの企業で定年となる60歳以降はガクンと落ちています。
しかし年収が落ちたからといって、急に今までの生活スタイルを変えて節制を強いるのは難しいかもしれません。定年後に限りある老後資金で生活するためには、家計の無駄を徹底的に見直すことが大切です。生命保険やあまり使っていないサブスク、スマホの見直しなど手段は多岐にわたりますが、中でも車を持っている人はマイカーを思い切って手放してみると大きな節約効果が期待できます。
マイカーを手放すと年間55万円以上の節約に
マイカーは持っているだけでもいろいろな維持費が必要です。金額が大きなものとして、まず駐車場代が挙げられます。駐車場代は地方と都心で異なりますが、都心を想定すると少なくとも月額3万円程度はかかります。そのため、年間では安めに見積もっても36万円必要です。
次に自家用乗用車の場合、自動車税は年間で最低でも2万9500円、自賠責保険料は12ヶ月契約の場合で1万1500円程度かかります。
また、車を保有していると、2年に1度は車検に出さなくてはなりません。車検はどこのお店に出すのかやメンテナンスのかけ方などによって金額は異なりますが、10万円前後は必要です。1年当たりに換算すると約5万円です。なお、タイヤやエンジンオイルの交換などのメンテナンス代については、今回は加味しないこととします。
さらに車に乗るほとんどの人は任意保険にも加入しています。任意保険の保険料は保障内容、年齢、保険会社などによって変わりますが、今回は損害保険料率算出機構の「2022年度 自動車保険の概況」のデータを参照します。このデータから自家用乗用車(普通)1台当たりの年間保険料を計算すると、約7万3405円です。
車に乗ったら走行距離分のガソリン代も必要です。資源エネルギー庁によると、2024年1月29日時点のレギュラーガソリン価格は1リットル当たり175.0円です。また、国土交通省が公表しているガソリン乗用車全体の平均燃費は24.6km/リットルですので、1km当たりで計算すると約7円となります。
毎日20km運転するとした場合、1年間で7300kmとなり、必要な年間のガソリン費用は約5万1100円です。
ここまでのシミュレーションから試算された、年間で必要な維持費用は大まかに次のとおりです。
●駐車場代:36万円
●自動車税:2万9500円
●自賠責保険料:1万1500円
●車検代:5万円
●任意保険料:7万3405円
●ガソリン代:5万1100円
これらを合計すると57万5505円です。車自体の買い替えが発生した場合にはさらに大きなお金がかかります。車を手放せば年間支出を55万円以上抑えられるとなると、かなりの節約効果が見込めるといえるでしょう。
まとめ
公的年金だけで暮らすには無駄な支出を減らすことが大切です。中でも車は手放すことでかなり大きな節約効果が期待できますが、地域によっては車がないと生活ができないという場合も少なくありません。また車が好きで、車に乗るのが生きがいという人もいるでしょう。
今回の試算はあくまで一例であり、車以外にも無駄を減らす手段はいろいろあります。価値観や生活を考慮しながら、老後をどのように暮らしていくのかを考えていきましょう。
出典
内閣府 令和5年版高齢社会白書(全体版)(PDF版)第2節 高齢期の暮らしの動向 1 就業・所得
厚生労働省 2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況
国税庁 令和4年分 民間給与実態統計調査-調査結果報告-
国土交通省 自動車税 税額表
経済産業省資源エネルギー庁 石油製品価格調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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