更新日: 2024.02.09 定年・退職

貯蓄が「200万円」しかない50代の夫婦です。世帯収入は「500万円」ですが、老後貧乏にならないためにできることはありますか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

貯蓄が「200万円」しかない50代の夫婦です。世帯収入は「500万円」ですが、老後貧乏にならないためにできることはありますか?
現役時代は不自由なく生活できていた人が、定年後に、退職金や年金・貯金だけでは十分な生活を送れなくなることを「老後貧乏」と称する場合があります。
 
老後貧乏にならないためには、50代のうちからどれくらい貯金しておけばよいのでしょうか。
 
本記事では、50代の平均貯蓄額と老後に必要な金額とともに、50代からできる資産形成方法についてご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

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50代二人以上世帯の平均貯蓄額は?

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」によると、50代の平均貯蓄額は1253万円、中央値が350万円とのことです。
 
平均値は、貯蓄額が極端に多い世帯があるとその影響を受けて引き上げられてしまうため、数値を小さい順から並べて、ちょうど真ん中にくる中央値を参考にしたほうがよいでしょう。
 
貯蓄額ごとの割合は、表1のようになっています。
 
表1
 

金融資産保有額 割合
金融資産非保有 24.4%
100万円未満 9.3%
100~200万円未満 5.8%
200~300万円未満 4.2%
300~400万円未満 5.1%
400~500万円未満 3.2%
500~700万円未満 5.0%
700~1000万円未満 5.7%
1000~1500万円未満 8.8%
1500~2000万円未満 6.0%
2000~3000万円未満 7.2%
3000万円以上 10.8%

 
※金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」を基に筆者作成
 
最も割合が多いのは「金融資産非保有世帯」の24.4%で、次いで「3000万円以上」の10.8%となっています。貯金200万円未満の世帯は合計39.5%となっているため、珍しくはないことだと分かるでしょう。
 

老後の生活に必要な費用は?

総務省統計局の「家計調査」によると「高齢者のいる世帯」のうち「世帯主が65歳以上」かつ「無職世帯」の1ヶ月の実支出は27万1524円となっています。
 
同世帯で1ヶ月の実収入は年金を含めて24万8858円ですので、月2万2666円の不足となります。1年に換算すると27万1992円、65~100歳までの35年間に換算すると951万9720円が不足する計算です。
 
貯蓄200万円の場合は7~8年でなくなってしまうことになるため、72~73歳くらいまでしか生活できないおそれがあります。
 

50代からできる資産形成方法は?

現役時代は世帯収入が500万円でも、貯蓄が200万円しかなければ、定年後の35年間で700万円以上が不足することになるでしょう。そこで、50代からできる資産形成方法を考えてみることをおすすめします。
 
例えば、iDeCo(個人型確定拠出年金)や新NISA(少額投資非課税制度)など、税優遇のある投資信託の積み立て制度を活用するのもよいでしょう。そのほか、公的年金の繰下げ受給で年金額を増やす方法などもあります。
 

老後貧乏にならないように貯蓄を殖やしておくことが大切

50代二人以上世帯の平均貯蓄額は1253万円、中央値は350万円ですので、貯蓄が200万円では「老後貧乏になるのではないか」と、心配になる人も多いと思います。
 
定年後100歳まで生きるとすると、900万円以上が不足する計算になるため、できるだけ貯蓄を殖やせるように、今からできることを考えてみましょう。
 
投資信託や公的年金の繰下げ受給など、50代からできる資産形成方法にはさまざまなものがありますので、検討してみることをおすすめします。
 

出典

金融広報中央委員会 知るぽると 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]表番号4 金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)
総務省統計局 政府統計の総合窓口(e-Stat)家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 年報 2022年 <用途分類>1世帯当たり1か月間の収入と支出 表番号4(高齢者のいる世帯)世帯主の就業状態別
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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