更新日: 2024.02.13 定年・退職

もうすぐ60歳になります。貯蓄「1000万円」で、退職金「2000万円」なら、65歳から働かずに暮らしていけますよね? 老後は安泰でしょうか?

もうすぐ60歳になります。貯蓄「1000万円」で、退職金「2000万円」なら、65歳から働かずに暮らしていけますよね? 老後は安泰でしょうか?
昔は定年後には働かずに年金だけで暮らしている人は多くいましたが、現在は多くの人が定年後も働き続けています。内閣府の「令和5年版高齢社会白書」によると、2022年において60~64歳の就業率は73.0%、65~69歳では50.8%です。つまり、多くの会社で定年となる60歳以降も、10年くらいは半数以上の人が働いているといえます。
 
本記事では、60歳時点で貯蓄が1000万円、退職金が2000万円予定の人が65歳まで働いた後、働かずに暮らしていけるのかを解説しています。
FINANCIAL FIELD編集部

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老後の生活費はどれくらい?

老後にかかる生活費は人それぞれです。子どもが独立しているか、持ち家か、どの程度の生活水準かなどによって異なるため、一概に「みんな○万円必要」とは言えません。
 
そのため、今回は65歳以上の夫婦のみの無職世帯を対象とし、総務省の「家計調査報告〔 家計収支編〕 2022年(令和4年)平均結果の概要」を参考にします。同調査によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の支出の平均額は26万8508円です。
 

老後にもらえる年金はどれくらい?

老後に年金がどれくらいもらえるかは、現役時代の働き方や働いた期間、収入の程度によって異なります。今回は世帯主が会社員で老後は老齢厚生基礎年金と老齢厚生年金、配偶者が専業主婦(夫)で老齢基礎年金をもらえる場合を見ていきます。
 
厚生労働省の「令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、老齢基礎年金と老齢厚生年金を合わせた平均受給額は月額で14万4982円です。また、老齢基礎年金は現在満額で月額6万6250円です。
 
世帯主は老齢基礎年金と老齢厚生年金を合わせた平均受給額を、配偶者は老齢基礎年金を満額もらえるとすると、世帯として受け取れる年金額は月額で21万1232円です。
 

今回のケースで働かずにどれくらい暮らしていけるのか

現役時代会社員と専業主婦(夫)の世帯が65歳以降に受け取る年金収入が月に21万1232円、支出が26万8508円だとすると、毎月の赤字額は5万7276円です。
 
貯蓄1000万円、退職金2000万円の合計の3000万円で、この赤字額をどれくらいの期間まかなえるのでしょうか。単純計算では、毎月の赤字額が5万7276円でも、貯蓄が3000万円あれば、523ヶ月は補填(ほてん)できます。523ヶ月というと、43年と7ヶ月です。
 
夫婦が同年齢だとすると、65歳から43年後なので、計算上は108歳までは暮らしていけるということになります。平均寿命は延び続けていますが、かなり高い確率で働かずに生涯暮らしていけるといえるでしょう。
 

まとめ

今回の前提では、3000万円の貯蓄があれば、65歳以降も働かずに生涯暮らしていける確率が高いです。とはいえ、人生なにがあるか分かりません。家や子どもの関係などで急に大金が必要となったり、新たな趣味に目覚めたり、思った以上に旅行などにお金を使ったりすることもあるでしょう。
 
前記の試算はあくまでもひとつの参考としてとらえ、実際にお金が足りるかどうかをそれぞれの家庭でシミュレーションしてください。
 

出典

内閣府 令和5年版高齢社会白書(全体版)
総務省 家計調査報告〔 家計収支編〕 2022年(令和4年)平均結果の概要
厚生労働省 令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況
日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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