更新日: 2024.02.16 その他老後

定年後の生活費は「6000万円」必要!? 年金が「月8万円」、退職金「1000万円」、貯金「500万円」の場合、老後はいくら稼ぐ必要がある? 必要な金額を試算

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

定年後の生活費は「6000万円」必要!? 年金が「月8万円」、退職金「1000万円」、貯金「500万円」の場合、老後はいくら稼ぐ必要がある? 必要な金額を試算
世代を問わず抱えている人も多い老後への不安。年齢を重ね自分自身が定年を迎える時期が近づき、退職金の額や将来受け取れる年金額が明確になるほど、危機感が強くなることも多いかもしれません。
 
本記事では、60歳で定年を迎えて1000万円の退職金を受け取り、65歳から月8万円の年金をもらう場合、85歳まで生きると老後資金はどのくらい不足するのかを解説します。今回定年後は一人暮らしをして、配偶者や子ども、家族等からの経済的援助の有無は考慮しないものとします。
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60歳から25年間で必要な生活費は約6000万円?

老後資金はいくら不足するのか明確にするためには、定年退職後85歳までに必要な生活費は具体的にいくらなのか把握する必要があります。
 
もちろん個別の生活環境や価値観などによって必要な金額は変化しますが、総務省統計局のデータによると2022年度における65歳以上の単身無職世帯の消費支出と非消費支出の合計額は15万5495円です。「老後の一人暮らしは贅沢をせず節約をすればお金がかからない」と思われるかもしれませんが、最低でも16万円程度の支出が発生することが分かります。
 
総務省統計局のデータは最低限必要となる金額のため、想定外の病気やけが、家具や家電製品の買い替え、引っ越しなども考慮すると場合によっては平均月20万円以上の支出が発生する可能性もあります。その場合、60歳から85歳まで6000万円が生活費として必要と考えられます。
 

年金以外に毎月いくら稼ぐ必要がある?

仮に、60歳から生活費として「毎月16万円」かかる場合、年間で192万円、85歳までの25年間で4800万円の資金が必要です。65歳から85歳までの20年間は月8万円の年金がもらえるため、赤字額は月8万円・20年間で1920万円です。
 
繰上げ受給をしなければ60歳から65歳までの5年間は年金がもらえないため、再雇用で働くか正社員やパート・アルバイトで新しい職場で働いて給料を得るなどして「年金以外の収入」を確保しなければ、貯金や退職金を取り崩さなければなりません。
 
月16万円の支出をカバーするには5年間で960万円必要ですが、貯金と退職金をすべて活用する場合は540万円の黒字となるため、全く働かない場合でも理論上は生活できます。
 
65~80歳の20年間は1920万円の赤字、65歳までの5年間は貯金や退職金を活用して540万円の黒字から、差し引き不足額は1380万円にも上ります。そのため60歳からの25年間で平均して月約4万6000円稼がなければならない計算です。
 

実際は不足額が多くなる可能性もある

これらの試算はあくまで収入や支出、預貯金の資産価値が一定の場合を想定したものであり、実際は不足額が拡大することもあります。最低限必要な生活費は変わらなかったとしても、大きな病気やけがの発生などで不測の事態が起こると出費が増え、将来的な資金繰りに大きな狂いが発生するかもしれません。
 
物価上昇や社会保険制度変更などで資産が目減りしてしまう可能性もゼロではありません。これらを総合的に考慮すると、貯金や退職金は事実上「ないもの」として考えて、60歳以降もできる限り働いて収入を確保することも大切かもしれません。
 

まとめ

本記事では、60歳で定年を迎えるとき、貯金と退職金の合計額が1500万円あっても85歳まで生きる場合は年金以外で収入を得る必要があるのかを解説しました。
 
退職時に資産が数千万円単位で存在すると「少しくらい散財しても問題ないだろう」と思われるかもしれませんが、想像以上に預貯金が減る可能性も考慮して年金に依存しない仕組みを構築することをおすすめします。
 

出典

総務省統計局 家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)平均結果の概要
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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