更新日: 2024.02.19 セカンドライフ

45歳で貯蓄は「200万円」、退職金は「1500万円」の見込みです。定年後は「年金だけ」で夫婦2人で生活したいのですが、貯蓄はあといくら必要でしょうか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

45歳で貯蓄は「200万円」、退職金は「1500万円」の見込みです。定年後は「年金だけ」で夫婦2人で生活したいのですが、貯蓄はあといくら必要でしょうか?
定年後も働き続ける人は増えていますが、定年後に全く仕事をせず、年金のみで生活をしている人もいます。その場合、生活費を年金受給額以内に抑えるか、定年前までに十分貯蓄をしておくことが必要です。
 
本記事では、現在45歳で貯蓄が200万円、退職金で1500万円もらえる人が、定年後に年金だけで夫婦2人で生活するためにはどれくらいの貯蓄があればよいのか解説しています。
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65歳以上の夫婦のみの無職世帯の平均的な支出は約27万円

定年後の生活に必要な支出は、持ち家かどうか、食費にどれくらいお金をかけるか、趣味などの内容などによってさまざまです。
 
今回は総務省の「家計調査報告〔 家計収支編〕 2022年(令和4年)平均結果の概要」の65歳以上の夫婦のみの無職世帯の支出を前提とします。本報告によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の平均的な支出は月に26万8508円です。
 

夫婦2人の標準的な年金受給額は約23万円

支出が各家庭で異なるように、年金受給額も同一ではありません。厚生労働省によると、令和6年度の夫婦2人分の標準的な年金額は月額で23万483円ですので、今回はこの金額を65歳以降受け取るとして、シミュレーションを進めます。
 
なお、現在のところ多くの会社では定年は60歳に設定されています。そのため、必要な貯蓄額の計算は、年金を60歳から受け取り始めた場合と、65歳まで働き続け、65歳から年金を受け取り始めた場合で計算していきます。
 
年金は65歳から受け取ることが基本ですが、60歳から受け取ることも可能です。ただ、その場合は65歳から受け取るはずだった年金額よりも24%減ってしまいます。つまり、今回の前提では、60歳から毎月受け取れる年金額は23万483円から24%減った17万5167円です。
 

毎月のマイナス額から見た必要な貯蓄

今回の前提にて、60歳と65歳、それぞれのタイミングから年金を受け取り始めた場合の毎月の収支の赤字額は次のとおりです。なお、支出はどちらの場合も毎月26万8508円とします。

(1)60歳から年金受給開始:26万8508円-17万5167円=9万3341円の赤字
(2)65歳から年金受給開始:26万8508円-23万483円=3万8025円の赤字

この赤字が生涯続き、毎月貯蓄から捻出する場合を考えていきます。今回は夫婦が同年齢で、85歳まで生きた場合で計算していきます。
 
(1)の場合、9万3341円の赤字が25年続きますので、赤字の合計は2800万2300円です。
(2)の場合、3万8025円の赤字が20年続きますので、赤字の合計は912万6000円です。

 
貯蓄の200万円と退職金の合計は1700万円ですので、(2)の場合、つまり65歳から年金を受け取り始めた場合は、毎月の赤字額を貯蓄で補填(ほてん)できそうです。
 
ただ、(1)のように60歳から年金を受け取り始めると、生涯で1100万2300円足りません。この金額を45歳から60歳までの15年間で貯蓄する場合、年間で73万3487円、月にすると6万1124円が必要な貯蓄額です。
 

まとめ

今回の前提では、60歳の定年退職後に貯蓄が1700万円あっても、すぐに年金をもらい始める場合、今から毎月約6万を貯蓄する必要があります。とはいえ、老後の支出や年金額は各家庭においてさまざまです。
 
今回は85歳までの前提ですが、長生きすればそれ以上に毎月の赤字が続いていきます。気になる人は自分の家庭に置き換え、必要な貯蓄額を計算してみましょう。
 

出典

総務省 家計調査報告〔 家計収支編〕 2022年(令和4年)平均結果の概要
厚生労働省 令和6年度の年金額改定についてお知らせします
日本年金機構 年金の繰上げ受給
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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