更新日: 2024.02.19 セカンドライフ

【60代の平均貯蓄額】60歳ですが貯蓄額は「100万円以下」です…ほかの60代はどれくらい貯蓄していますか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

【60代の平均貯蓄額】60歳ですが貯蓄額は「100万円以下」です…ほかの60代はどれくらい貯蓄していますか?
「老後資金2000万円問題」が話題となるなか、年金だけでは老後の生活をまかなえないと示唆されています。60歳で定年を迎え、年金の受給ができる65歳を目前にして、老後資金が足りるのかと、不安な方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 
そこで今回は、60代の平均貯蓄額や、老後にかかる出費について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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60代の平均貯蓄額

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(令和4年)」によると、60代の貯蓄額(金融資産保有額)は、表1の通りです。
 
表1

平均貯蓄額 中央値
単身世帯 1338万円 300万円
二人以上世帯 1819万円 700万円

※金融資産を保有していない世帯を含む
※金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯/二人以上世帯調査](令和4年)」を基に筆者作成
 
計画的に貯蓄している世帯では、約1300万~1800万円以上のお金をためていることが分かります。
 
貯蓄額が100万円未満の割合(60代)を見てみると、単身世帯で8.0%、二人以上世帯で6.1%とのことです。さらに、貯蓄をしていない金融資産非保有世帯の割合は、単身世帯で28.5%、二人以上世帯で20.8%と、100万円以下の割合と合計すると、全体の約3〜4割にも及びます。
 

老後に想定されるまとまった出費

定年退職後は、再雇用や再就職で働いたとしても、現役世代に比べると、収入が減ってしまう可能性があります。そのため、生活費はもちろん、大きな出費は貯蓄でまかなわなければなりません。ここでは、老後の生活で想定される出費をご紹介します。
 

医療費

年齢を重ねると、病気やけがのリスクが高まり、医療費の負担が増える可能性があります。医療費の自己負担割合は、69歳までが3割、70歳から74歳までが原則2割、75歳以降は原則1割です。
 
年齢とともに医療費の自己負担割合は減りますが、年齢が上がるにつれて医療機関などを利用する機会が増えます。実際に、厚生労働省の「令和3年度 国民医療費の概況」によると、人口一人あたりの医療費は、65歳未満が19万8600円であるのに対して、65歳以上は75万4000円とのことです。
 
診察1回あたりに支払う金額は少なくても、継続的に通院が必要とか、入院が必要になったなどの際には、医療費が高額になる可能性もあるでしょう。
 

介護費

もしも老後に介護が必要になった場合には、医療費とは別に介護費がかかるケースもあります。
 
また、公益財団法人生命保険文化センターの「2021年度 生命保険に関する全国実態調査」によると、月々にかかる介護費用の平均は8万3000円であり、住宅改造や介護用ベッドの購入などに一時的にかかった費用は、平均74万円とのことです。
 
要介護度が高くなるほど費用負担が多くなり、要介護度別の割合では「要介護5」の平均介護費用は、一時的な費用で107万円、月々の支払いは10万6000円にもなります。
 

そのほかの費用

子どもが大きくなり、結婚や出産などのうれしい知らせも増えるでしょう。その際には、ご祝儀やお祝い金などの費用も必要となります。さらに孫ができると、出費が増える傾向にあります。
 
ソニー生命保険株式会社の「シニアの生活意識調査2023」によると、1年間で孫のために使った金額は、平均10万8134円とのことです。孫の成長とともに、お年玉や入学祝いなど、多くの出費が考えられるでしょう。
 

60代で貯蓄100万円以下の割合は約3~4割ほど

今回の結果より、60代で貯蓄が100万円以下の割合は、金融資産非保有を含めて約3~4割であることが分かりました。
 
今後の老後の生活には、医療費や介護費、子どもや孫に対する出費が考えられます。そのため、早いうちから計画的に貯蓄することが大切です。もしも60歳になっても十分な貯蓄がない場合には、定年退職後も働き続けることを検討しましょう。
 

出典

金融広報中央委員会 知るぽると 家計の金融行動に関する世論調査
 [単身世帯調査] 各種分類別データ(令和4年)1. 金融資産の状況等 表番号4 金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)
 [二人以上世帯調査] 各種分類別データ(令和4年)1. 金融資産の状況等 表番号4 金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)

厚生労働省
 窓口負担割合等のご相談窓口について
 令和3(2021)年度 国民医療費の概況 結果の概要 5 年齢階級別国民医療費 表5 年齢階級別国民医療費(6ページ)

公益財団法人 生命保険文化センター 2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査 調査結果 第II部 生活保障に対する意識 2.生活保障に対する考え方(5)世帯主または配偶者が要介護状態となった場合の公的介護保険の範囲外費用に対する経済的備え(エ)介護経験(e)介護費用
 〈図表II-60〉介護費用(一時的な費用の合計),〈図表II-61〉 介護費用(一時的な費用の合計)(要介護度別)(173ページ)
 〈図表II-62〉介護費用(月額),〈図表II-64〉介護費用(月額)(要介護度別)(174ページ)

ソニー生命保険株式会社 ニュースリリース(2023年度)シニアの生活意識調査2023図6 この1年間で孫に使った金額
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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